もものけ

ドーベルマンのもものけのネタバレレビュー・内容・結末

ドーベルマン(1997年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

定期的に鑑賞しております👍

通称ドーベルマンと呼ばれる男が率いる武装強盗組織と、サディストな暴力刑事が繰り広げる闘いの物語。


感想。
個人的には、バイオレンスアクション映画の最高峰であり、そのスタイリッシュな映像センスには観る者を惹きつける魅力のあるヤン・クーネン監督の一発当たりだった作品で、欧州映画によくある下品なジョークと暴力描写の連発で送る痛快バイオレンスアクション。

冒頭のCGIアニメーションで演出するタイトルから実写に変わり、ベビーカーで遊ぶ357マグナムを強盗シーンへワンカットで演出するシーンは、アクション映画の中でもカッコよさが際立っていて、ヴァンサン・カッセルがクールです!
キャラクターの出で立ちカットがいちいち格好良く、コミックのような絵を独特なスタイリッシュセンスで、ズームインしながら撮るカメラワークはハリウッドにはない斬新さがあります。

キャスティングは今にすると豪華で、後に主演クラスになる役者達の若し頃に総出演した貴重な作品となり、名優ヴァンサン・カッセルとイタリアの至宝モニカ・ベルッチを初めて見知りした作品でもありました。
リュック・ベッソン監督の名作「ニキータ」コンビのチェッキー・カリョ、マルク・デュレや、個性的演技なロマン・デュリスなどのぶっ飛んだ演技が作品の魅力です。
終始クールで見栄えのよいヴァンサン・カッセルと、エロス全開で手話を繰り広げるモニカ・ベルッチの絵になる二人は、後に夫婦になる実生活を物語るような息の合いっぷりに嫉妬すら覚えます。
クレイジーの一言でチェッキー・カリョが演じる刑事は、フランス映画界を代表する演技で、その異常な目つきだけでもサディスティックさが気持ち悪くなるくらいの迫力です。

アクションシーンの迫力もなかなかで、カーアクションや銃撃戦など盛りだくさんで演出し、暴力描写と相まってチープになりがちなアクション映画を飛び散る脳髄などのリアルさが、下品でありながら憎い演出で個人的に大好きでした!!
ディスコからロケットでぶっ飛ばされる重装備の警官シーンなどは、アクション映画史に残るシーンではないかと思います。

基本的にクレイジーな連中ばかりなので、その死に様などは全く共感できない清々しさなんかもあり、唯一なのは子供を助けに撃たれてしまう母親のシーンくらいしかグッとこない創りのブレのなさはやってくれます。

ストーリー性に重点は置いていないので、強盗団と警察のドンパチを堪能する作品であるため、ストーリー性を求める人には向いていないかもしれません。

デジタル音楽をメインに演出された映像とのマッチは素晴らしく、Prodigyの名曲がかかるシーンはアゲアゲになってしまいます!
必殺武器のロケットを取り出すケースに、子守唄のオルゴールを鳴らすのには笑ってしまいますが、何故かクールです。

スカッと爽快に傑作を堪能させていただき、5点を付けさせていただきました!!
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