ドルフィンキック

ドラゴン×マッハ!のドルフィンキックのレビュー・感想・評価

ドラゴン×マッハ!(2015年製作の映画)
3.9
レンタルDVDにて、鑑賞しました。
邦題の「ドラゴン×マッハ!」は、賛否両論あるみたいですが、個人的には、作品名の響きも、カッコいいし、とても伝わり易い作品名で、良いと思います。
「SPL~」だと、香港映画ファンではない人だと、何のジャンルの映画なのか、伝わり難いですからね。

ムエタイの神トニー・ジャーとカンフーの至宝ウー・ジンのダブル主演!
ムエタイVSカンフーの異種格闘技戦、凄まじくて、かなり楽しめました♪

トニー・ジャーですが、香港映画に出演しても、全く、違和感を感じず、上手い具合に、完全に、溶け込んでいました。
ウー・ジンとの夢の対決&共闘、どちらも、熱い気持ちになりました。

親子愛や友情を描いたドラマパート、激しい拳脚アクションが炸裂する、リアルな肉弾戦満載のアクションパート共に、熱くて、酔いしれました。

ドラマパートは、トニー・ジャーと言えば、今まで、仏像や象のために頑張る役柄でしたが、本作では、難病の娘のために頑張る役柄だったので、日本人が見ても、感情移入し易い役柄で、尚且つ、今までの作品よりも、セリフも、多くて、娘のために一生懸命に頑張る姿は、胸を打つものがあって、とても良かったと思います。

アクションパートは、文句なしでしょう!!!!!
刑務所内での大乱闘、トニー・ジャーの走ってくるバスのフロントガラスへ向かってのダブルジャンピングニーパッド(飛び膝蹴り)、ウー・ジンのウェブスター(前方宙返り蹴り)、ウー・ジンお得意の華麗な空中連続蹴り、階段でのバク宙キック&側宙などのアクロバットの数々、次から次へと僕好みの超絶アクションのオンパレード!で、とても気分が高揚しました。

そして、異次元のラストバトルが熱過ぎる!!!!!
セミファイナルとも言える、ウー・ジンVSナイフ使い役のチャン・チーのデンジャラス且つスピーディーなウエポンバトルが、凄まじいですね。
トンファーを手にしたウー・ジンと多数の短刀を巧みに、駆使して、迫って来るチャン・チーのウエポンバトルは、前作の「SPL~」で、ウー・ジンが、演じた冷酷なナイフの使い手と特殊警棒のドニー・イェンのウエポンバトルを彷彿とさせて、一瞬たりとも、目が離せない、名勝負で、手に汗握りました。

ラスボスを演じた、マックス・チャンは、線は細いですが、まるで、鞭のようにしなる華麗な足技が、美しくて、カッコ良かったですね。

ラストバトルのトニー・ジャー&ウー・ジンVSマックス・チャンのキレッ!キレッ!の高度なテクニックを活かした、激しい拳脚アクションは、戦いと言うよりも、もう芸術の域に達していて、肉体アート全開でした!

CGやワイヤーは、多少、使用されていますが、あくまでも、彼らのムエタイアクションやカンフーアクションを盛り上げるための「演出」や「飾り」で、メインは、生身の肉体アクションなので、CGやワイヤーを駆使した、カンフー映画は苦手な方でも、それほど、気にせずに、楽しめると思います♪

トニー・ジャーの滞空時間の長い、重力を無視したダブルジャンピングニーパッド(飛び膝蹴り)や脳天かち割りエルボーは、芸術的で、とてもカッコ良かったですね。

ウエポンボトル、リアルヒッティングバトル、美しいワイヤーアクション、華麗なアクロバティックなアクション、CGアクションなどなど、新旧の色々なカンフーアクションが、上手い具合に、混ざり合っていて、カンフー映画の素晴らしさや美味しい所が、ギュッと詰め詰め込まれていて、ナイスでした!

一つ、一つのアクションを目で追うのが、大変で、一度、見ただけでは、憶えられない位に、複雑且つレベルの高い拳脚アクション満載で、色々なアイディアや工夫が施された、本当に、素晴らしい立ち回りでした。

総合的には、娯楽色は薄くて、どちらかと言えば、前作同様に、ダークな世界観のドラマチックなノワール系のアクション映画で、とても見応えがありました。

なので、ノワール映画、カンフー映画、どちらのジャンルも、お好きな方には、お勧めの作品ですね。

ただ、ランニングタイムが、この手の作品としては、長くて、途中、間延びして、退屈に感じてしまったことと、演出なのかも、しれませんが、本作の一番の見せ場である、ラストバトルが、何度も、途中で、他の場面に変わったりするので、少し、集中し辛かったですね。
なので、欲を言えば、ラストバトルは、他の場面を挿入せずに、ノンストップで、激しくて、華麗で、美しい戦いを見せてほしかったですね♪