ふしみあい

カーズ/クロスロードのふしみあいのレビュー・感想・評価

カーズ/クロスロード(2017年製作の映画)
4.6
原点回帰!
完璧な世代交代映画!
ジョン・ラセターさんからブライアン・フィーへ!背景もリンクしてる

オープニングのカーレースからワクワク、ドキドキ。どこであの予告のクラッシュが起こるのか、固唾を飲んで見守る。
車のスピード感、レース場のコンクリートの質感、実写以上の表現。
車に命が宿り、躍動する!

1と同様、かなり王道なストーリー。主人公マックウィーンが声も見た目も前作と変わってないのに年寄り扱いされてるのがショックだった。
あとドックのくだりでめちゃ泣いてしまった…ドックがいなくなっても別の形でこの作品に生き続けている、そしてその意思は確実に次の世代に受け継がれている。

登場人物の立ち位置や気持ちががだんだん変化し、物語は思いがけない形で終結する。
しかしこれはこれでカーズの完璧な終わり方だと思う。

邦題のカーズ クロスロード、秀逸なタイトルだ。
別々だったクルーズとマックウィーンの道が交わり、ドラマが生まれ、合わさっていく。

ただ日本版制作、もうちょっと頑張って欲しかった…車のステッカーのフォントには見えない文字を使ってくるし、日本語が画面に出てくるたび浮いて見えた…。
あとメーターのそのネタ、そんな引っ張らんでも…と思ってしまった。

マックウィーンがマックとともに旅をする一連のカットは、アメリカの雄大な自然に赤いトラックが映えて、その時点でもうため息が出るほど美しくい。実写と同レベルのCG、なおかつアニメーション的な表現も盛り込まれ、本当にすごい。

映像のすごさ、動きのすごさが物語と相まって作品がとても大きくて深い。
最高の夏休みアニメーションだと思う。
本編前の短編アニメーションも短編じゃもったいないぐらい面白かった。ディズニー的な動きとピクサーの確かな描写力。1000円ちょっとで大画面と大音量で見られるなんて行くしかない。

カーズ、そのぶっ飛んだ世界観と躍動感に魅了されたが、今回のクロスロードも渋い映画だった。頭で考えるより心で感じる一本のような気がする。
奥田民生のかき鳴らすギターと声がすごく合ってた。ERのステッカーも凝ってて可愛い。そして映画館のストアのグッズ展開が凄まじかった…どれもめちゃくちゃ可愛い!