このレビューはネタバレを含みます
この映画のストーリーは、数学の天才のお話が関わってきますが、話の軸は今までもたくさん作られてきた
「純粋な子供の親権問題でドロドロの裁判」
的なモノです。
ただ、今作は104分という短い上映時間のうえ、そこまで裁判が多くの時間を占める話ではありません。
冒頭10分で、上岡龍太郎さんの幼少期の話を思い出しました。あの人は小学校に行く前から母親の英才教育を受けて5才の時には、「馬は?」🐴「HORSE。」「正解。⭕️」みたいなクイズの会話をしていたらしいです。
この話には多少の尾ひれがついているかもしれませんが、問題は
「幼少期からそんな教育を受けていたから、小学校に上がってからの授業が地獄だった。周りのアホと同じように音読とかしなきゃいけないのが本当に退屈だった。」
と本人が言ってました。
なんとなく、理解できます。🤔
今作で、仮に自分がフランクの立場だったら、普通の人生を歩ませてあげたいと思いますし、逆にメアリーの立場だったら、学校を変わりたいと思う気持ちも分かります。
周囲の思惑は別として。
自分も、昔は大学や大学院を卒業したのに、すぐ結婚して専業主婦になる人とかは、「なんでだよ、勿体ない。」とか思ってましたが、今なら十分理解出来ますね。
人類の発展に繋がるとしても、1人の人生の幸せを犠牲にしてまですることだとも思えませんし。
結局、人生の選択と結果のお話になりますから、どちらが正しいって答えは、メアリーが大人になった時にどう考えるかでしょうね。
この映画の登場人物に関しては、
主演の2人の親子の絡みももちろん好きですが、脇役のメンツが好きです。
片目の猫のフレッド、友人のロバータ、ボニー先生や黒人弁護士もこの映画に必要なキャラクターですね。頭が固かったり主義主張の違いで対立する人はいますが、基本的には善人ばかりの映画です。
それにしても、ロバータを演じたオクタヴィア・スペンサーは本当にいい雰囲気の俳優ですね。
どんな役も満遍なくこなすとは思えませんが、黒人女性でこの手の役は彼女は間違いありません。
今作のメアリーみたいな数学の天才が成長して、NASAで働き始めて、マーキュリー計画の計算する映画が『ドリーム』なんですが、あれも傑作ですね。彼女もいい役です。
あのカットのラストシーンも自分は好きです。よくある話のようにも思えますが、良い作品です。
ティム・バートン監督作品の『ビッグ・フィッシュ』🐟を観た時も思ったんですが、親子の映画って観る人が家庭を持ってたら、また感じ方が変わってくるでしょうね。
あまり育児真っ最中の人に2時間近くある映画を観ることを勧めることは出来ませんが…。