あーさん

gifted/ギフテッドのあーさんのレビュー・感想・評価

gifted/ギフテッド(2017年製作の映画)
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これは、、
高評価で期待値も高かったのだが、思った以上に深く心に迫って来る作品だった。

どんな親でも子どもの才能を最大限に伸ばしてあげたいと思うのは当たり前だし、子どもには幸せになってほしいと願っている。
でも、子どもの幸せ<才能の開花 になっているという事に気づかない、気づこうとしない人がいるのはとても悲しいことだ。
その子が、例えギフテッドだとしても…。

私はずっと、様々な映画を観ながら
"幸せってなんだろう?"と考え続けている。
7歳の少女、メアリー(マッケンナ・グレイス)にとっての幸せとは?

簡単にジャッジはできない。

何故なら、どの登場人物にもどこかしら感情移入できたし、何が正解なのかはやってみないとわからないから。。

でも、、
一番大切にしないといけないことはわかっている。

何かを成すことも大事だけれど、それはまず近しい人から愛され、満たされ、そして周りの人を愛すること、、じゃないかな?


メアリーの祖母、エブリン(リンゼイ・ダンカン)の母親としての思いや、悩み、やるせない気持ちの持って行き所の無さは、本当に身につまされたし、下手をすると自分でも陥りかねないと思った。
だけど、エブリンの息子であるフランク(クリス・エヴァンス)の気持ちも痛いほどわかる。
自分が親の理想とするような人になれないとわかった時、自分でないきょうだいの方が親を喜ばせられると知った時、、失望と落胆とそして愛情を渇望する気持ちと。壊れないでいる為には、そこから離れるしかなかった。。

エブリンの娘、フランクの姉、メアリーの母親であるダイアン。
彼女が何故自殺をしたのかがなかなか見えてこなかったのだけれど、それがわかってからフランクのメアリーに対する思いが、より強く感じられて切なかった。

自分も娘も果たせなかった偉業を孫の数学の才能を伸ばすことで叶えたい祖母エブリンと、才能を伸ばすことを否定しないが普通の子どもとしての生活も味わわせてあげたいと思う叔父のフランク。
母親だからこその苦悩、そこから自由になりたい子どもの思い、、母でもあり子どもでもある自分には、両方の気持ちがわかる。
だから、一見どちらも間違ってはいない、、ように思えた。

ここまでこじれてしまったら、自分達だけで解決するのは難しい。

しかし、相手がどれだけメアリーの養育者としてふさわしくないかを言い争う法廷の場面では、そこがお互いをこき下ろす場所でしかないということを思い知らされる。
離婚もそうだけど、親権・養育権の奪い合いというのは、子どもが一番辛いことなのに話し合いでどうにかならないものだろうか…。

客観的に見て、エブリンがしようとしていることは"教育"(それもかなり早期)であり、フランクがしようとしていることは"養育"だと思った。

大事なことを話すときは目を見て話すこと、
自然の中でリラックスしながら素直な気持ちを話すこと、
手を繋いだり体を触れ合わせること、
悪かったと思ったら謝ること、
年上の人には敬意を払うこと、
人を見下さないこと、
どんな理由があっても人を殴ってはいけないこと、、
フランクや地域の学校は、沢山の生きていく上で大事なことを教えてくれた。
これらは、教科書や数学の本には載っていないこと!

どちらが養育者にふさわしいか?

けれど、エブリンもきっと心に深い傷を負っていることは人物像からも想像できる。
認められたい、愛されたい、という思いが人一倍強い。だから、嫌な人というよりも可哀想な人だと私は思った。。

(フォロワーさんの助言で特典映像の未公開シーンを観たが、個人的にエブリンとフランクが親子で思いの丈をぶつけ合うシーン、メアリーの先生とフランクが本音で話すシーンは本編に入れた方が物語に深みが出たのでは?!と感じた。もともとそんなに長くないので可能だと思うのだが…)


フランクの家の管理人役のオクタヴィア・スペンサーの温かみのある演技、いるだけなのに癒される片目の猫フレッドが物語に色を添える。

メアリーにとっての幸せがどういうことなのか?
揺れながらも正しいと思えることに気づいていくフランク役のクリス・エヴァンス、逆にだんだん不安定な自分を隠しきれなくなるエブリン役のリンゼイ・ダンカン(若い頃、めちゃくちゃ綺麗!)の演技が素晴らしかった。
そしてそして、マッケンナ・グレイスちゃんの細めのズボン姿にノックアウト!
小さい子のスパッツ姿とか、キュート過ぎる!!(*≧∀≦*)
利発で可愛くて、演技派の小さな女優さん♡
これからが楽しみ。。
あーさん

あーさん