閉じられた宇宙ステーションという舞台、海賊の荒くれ者たちVSエイリアンの戦闘、アンドロイドの存在。実はこれまでエイリアンシリーズでやってきたアイディアがくり返された本作。しかしこれが「ああまたか」に終わっていない。オモシロイ!SFマインドとアクションが組み合わさった傑作です。
それは一度使ったアイディアをうまくまとめ直した、という工夫の面白さに終わっていないからです。この映画でハリウッドデビューとなったフランスの映画監督ジャン=ピエール・ジュネの才能の爆発を感じられるからと言えるでしょう。
リプリーをクローンで復活させる研究者たちの人間離れしたイメージ、強化ガラスごしいエイリアンとキスしちゃうマッドサイエンティスト、人間とエイリアンの進化型生物などなど、おぞましくも美しいシーンがこれでもかと登場してきます。
おそらく元が同じアイディアでも、監督が違えばこういう作品にはならなかったはず。そういう意味では監督の方向によって映画は変化するということがよく理解できる作品です。
エイリアンを飼い慣らそうとすることを非難するリプリーに対して、博士は答えます。
「あの時代から世の中は大きく変わったんだよ」
過去とは違う。だから自分たちは失敗しないでうまくやれると。これは現代に生きる人間が一番勘違いしやすいことのひとつです。エイリアンシリーズは、ああまた人間は失敗するのか、ということの繰り返しですが、人間という歴史を考えるとそうなるのは必然なのかもしれません。