ふしみあい

メアリと魔女の花のふしみあいのレビュー・感想・評価

メアリと魔女の花(2017年製作の映画)
3.6
スタジオジブリへのリスペクトがこれでもかと言うぐらいいっぱいに詰まった一作。

おばあちゃんのキャラデザとか、魔女の宅急便まんまでびっくりした。
そのほかにもトンボ的キャラ、湯婆、ヤックル(ツノ違い)などなど。
大人が子供にキツイこと言うのは米林監督のいつもの手法。あのセリフでゼベディさんのこと嫌いにさせといて最後まで挽回されない。
あとゼベディさんの声は遠藤さんでよかったのか…見た目と声合ってないきがした。

大自然広がる田舎町に1人越してくる女の子、というのは前作マーニーと同じで、自然豊かな田舎町と雲、空の表現がすごく綺麗だった。

魔女の使い魔として現れる黒猫。喋りこそしないもののしっかり意思疎通取れる。これの影響かわかんないけど私の飼猫とめちゃ意思疎通取れる夢見てしまった笑
あと猫ガエルが泣いてるの可愛い。


そしてエンドア大学の造形が素晴らしい。ハウルの動く城でジブリが描いた魔法、魔術、様々な道具。あれの大学版といえばそれまでだけど、いろんなアイデアがいっぱいに詰め込まれ、一年生から最高学年まで一気に観せていくシーンはすごくワクワクした。
主人公メアリのチート感は否めなかったけど、赤毛もじゃもじゃ可愛いし、髪を解くというベッタベタな演出も胸熱。

キャラの動きや背景、音楽はとても好きだし見応えがすごい。
しかし良くいえばリスペクト、今まであったものを全部一旦溶かして新たなものを作るという試みだったんだろうけど、ちょっと元の形が見えすぎてた気が…。
登場人物の本当にやりたいことも見えてこないし、結構馬鹿が多い。
悪役の動機もイマイチだったなあ。

それでもジブリと比べられたり、辛口で評価されることが多い米林さんがめげずに3作も作ってることとか、2時間ちょいの長編アニメーションがこれだけ動いてるのとか、尊敬でしかない。