このレビューはネタバレを含みます
まず、自分は動物映画はほとんど観ません。
動物映画については、自分がペットを飼ってないのと、「どうせ、カメラの後ろ側に餌が置いてあるんだろ?」みたいな作り手の作為を想像してしまって、『南極物語』を観た時も全く感動しませんでした。😥
『ディープ・ブルー』みたいな野生動物のドキュメンタリー映画ならそれなりに観れます。人間の場合、ドキュメンタリー映画でも嘘をつけますけど、動物は嘘をつきませんしね。😅
でも、はっきり言って今作を見る上で、そんな事は全く関係ありませんでした。
純粋に面白かったです。
今作は喋りたいことがたくさんありますが、端的にまとめると、
「日本描写のいちいち細かい面白さ」に尽きると思います。ウェス・アンダーソン監督作品は初鑑賞なんですが、ものすごくこだわりとセンスのある優秀な監督だと思います。
監督の日本文化へのリサーチ能力とリスペクト(尊重)があった上で、わざとああいう近未来の日本の映像を作っていることがひしひしと伝わってきます。
ただ本当の意味では「リアルな描写」ではないのかもしれません。
そもそも架空の世界ですから、そこまでリアリティを気にしなくてもいいんですが、魚やカニを捌くシーンは骨の抜き方とかはどうも違和感がありました。でも、バーナーで炙る描写なんかはリアルなんです。
こんな重箱の隅をつつくようなことを言うのも野暮ですね。
良い点を挙げていきます。
①まず、犬に愛嬌があります🐕
これは、センスとしか言いようがありません。
②そして、テンポがいいです。
アメリカ映画の笑いって、自分には合わないことが多いんですが、『LEGOムービー』同様、アニメで早いテンポの会話劇って自分に合うように感じます。
多数決のくだりもあのテンポだから面白いですよね。
③ストーリーも良かったですね。
自分はぶっちゃけ、観る前は全くお話の点では期待してなかったんですが、最後、少し感動しました。
④あと、自分はこのfilmarksの名前に引用するくらい『七人の侍』が大好きなので、あの音楽が流れるだけでテンションが上がります。
⑤そして何より、ディテールへのこだわりがすごいです。はっきり言って、字幕を読むのに集中してしまって、一回観ただけでは画面の隅々のこだわりまで目が行き届きません。だからもう1回観たいです。
それにしても、今年は例年に比べて劇場公開作品を多く観れてますが、アタリがすごく多いです。
だから、「今年一番面白かったの何?」って聞かれたらすごく困りますね。特にスコア4.0以上は全部好きです。