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サマーフィーリングのkazu1961のレビュー・感想・評価

サマーフィーリング(2016年製作の映画)
3.6
▪️Title :「サマーフィーリング」
Original Title :「Ce sentiment de l'ete」
▪️Release Date:2019/07/06
▪️Production Country: フランス・ドイツ合作
🏆Main Awards : ※※※
▪️Appreciation Record :2020-024
▪️My Review
爽やかな映画とは言い難いです。なぜなら、主人公ロレンスの最愛の恋人サシャが急死ししたところからストーリが始まるからです。でも観終わった後には、不思議と清々しい余韻が残る不思議な作品です。
哀しみを超えて、ゆっくり生まれ変わる。喪失を抱えながら過ごす三度の夏、フランスの新鋭ミカエル・アース監督が描く、愛と再生の物語。
突然の別れとなったベルリン。深い悲しみが残るパリ。少しずつ自分の生活を取り戻すニューヨーク。三度の夏、三つの都市。愛した人の思い出と幾つもの美しい景色の中で、遺された者たちは少しずつ人生の光を取り戻していきます。。。悲しい出来事があっても、新しい朝は訪れ、残された者たちの日々は、愛も哀しみも受け入れただ静かに進んでいきます。喪失感を抱えながら過ごす、三度の夏を静かに切り取りとっています。ラスト近くのゾエの涙の意味は。。。観る者に優しい余韻を残す作品ですね。
映像の素晴らしさ。東京国際映画祭東京グランプリと最優秀脚本賞をW受賞した『アマンダと僕』のミカエル・アース監督長編第2作品で、夏の木漏れ日、青々とした木々の葉、行き交う人々の表情、瑞々しい夏の世界を16mmフィルムの荒い粒子越しに切り撮る。何より、湖で泳ぐ人、芝生に寝転がる観光客、フランスの避暑地アヌシー湖のシーンは、ほんと美しいです。
そして、音楽も秀逸。音楽は、ノスタルジー漂う旋律を奏でるタヒチ・ボーイ。挿入歌には、ピクシーズ、ラーズ、アンダートーンズ、ニック・ギャラリー、ベン・ワットなど、素晴らしい選曲センスで夏の感じを、時に切なく、時にハッピーに彩ります。そう、スクリーンに重い空気が漂わないのは音楽による点が大きいと思います。細野晴臣のカバーで話題のマルク・デマルコのライヴシーンも必見。

▪️Overview
長編3作目の「アマンダと僕」で2018年・第31回東京国際映画祭で東京グランプリを受賞したミカエル・アース監督が、15年に手がけた長編監督第2作。夏のある日、30歳のサシャが突然亡くなったことから、サシャの恋人ローレンスそしてサシャの妹ゾエ、出会うことがなかった2人が顔を合わせる。突然の別れの地となったベルリン、悲しみが深く残るパリ、少しずつ自分の生活を取り戻していくニューヨーク。3つの都市で過ごした3度の夏を通じ、残された人たちが少しずつ人生の光を取り戻していく。ローレンス役を「リプライズ」「オスロ、8月31日」などヨアキム・トリアー作品で注目を浴びたアンデルシュ・ダニエルセン・リー、ゾエ役を「女の一生」のジュディット・シュムラ、ゾエの母親役を「緑の光線」のマリー・リビエールがそれぞれ演じる。(映画.com参照)
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