親になったところで、歳を取ったところで、人として成長出来てるかと言われたら私も自信がない。日々の暮らしがうまくいってればそうそう表に出てこない感情も、一度何かが狂ってしまうと関を切ったように本当の自分があらわになってしまったりする。
大人になりきれていない親だと思うのは簡単だ。でも実際、聖人のようにできた人間になんてなれてる大人の方が少ないんじゃないか。
それに対比するように良くできた息子。本質的にいい子なのはそうだと思うけれど、このくらいの子供の方が純粋なぶん聖人により近いのではないか。これから生きていく先に待ち受けるものが彼を変えていくということもまたあるのだろうと思ったりするけれど。
それにしても、この家族に起きてることからすると案外穏やかにも思える展開は息子の賢さゆえかな。普通の映画だったら息子はもうとっくにグレたり暴れたりしてるだろうと何度も思いました。この状況に耐えたこの子の気持ちを思うと、大人は本当に何やってんのか。自戒の念を込めて、もう一度人として成長する、ということを考えなければと思わされた映画だったと思います。
