よしまる

彼女とTGVのよしまるのレビュー・感想・評価

彼女とTGV(2016年製作の映画)
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 なにも前情報無しに観たのでまさかこれがバーキンとは思わず、さらに実話ベースということを知って2度びっくり。

 いまの若い人、バーキンなんて知らんよね。あの時代だから可愛かった、って人はいるけれど、バーキンの美少女ぷりといったら60年代から現在に至るまでいつの時代にも通用する可愛さ。
 実際、いま60年代のバーキンが現れてもみんなあっという間に洗脳される(ヒトラーのレビューを引きずってるがなw)。
 なんなら「ジェーンバーキン60年代」で画像検索♪

 ま、それはさておき。

 もひとつオマケにびっくりしたのが、このレトロフューチャーな画づくりをしているスイス人監督は撮影当時まだ20代後半!
 シャイで意固地で人嫌いな初老の女性を巧みに描写するのも上手ければ、そんな彼女が守ってきた自宅のインテリアやパン屋さんのディテールが実に味わい深い。

 それは直接、彼女の古風な性格と駐禁ボーイや息子たち今ドキの若者との関係性や、あるいはワープロとメール、パン屋の経営といった新旧のせめぎ合い、街から少し離れたのどかな山間部を駆け抜けるTGVのビジュアルといったすべてにリンクしており、そのまま作品のテーマとなっている。

 そんな彼女が、お気に入りのパジャマのまま駆け出す。
 ギューって切なくなって、ラストにはほっこり。このコンボは泣くやつ😭

 心の持ち方、接し方で人生はいくらでも明るいものになる。これからの老後に向けて笑、大切なことを気づかせてくれる名作だった。じーん。

(ショートフィルムスコア 4.8)