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世界でいちばん美しい村のQvQのレビュー・感想・評価

世界でいちばん美しい村(2016年製作の映画)
3.6
「美しい」をどう捉えるかだろうけど、額面通りの美しいを想像して観たらガクッとなるかも。

まあ確かに風景は遠目には美しい。そして大きな自然の一角というか、山岳地方の山に囲まれた場所にポツンとあるこの村は、街からもたらされる文明にも多少は晒されながら、私たちが原風景と感じるような穏やかで人間らしい暮らしを保ったまま暮らしている。紛争や戦争だったり、コロナのようなものだったり、デジタル化され便利になりすぎた暮らしだったり、そういうことに疲れてしまった心が求める暮らしがそこにはあって、すわ人類はこのくらいの暮らし選んでくるべきではなかったか?などと思ったりはしてしまう。

ただやっぱりそればかりではないという気持ちも湧いてくる。芸術文化、音楽映画、etc…、人間がこれまで育んできた「美しく」豊かなものを思うとそちらも捨てがたくそれを謳歌したい気持ちも湧いてきて頭がぐちゃぐちゃとなってしまった。

こちらの「美しさ」と、私が求める美しいものの中庸はどこにあるのだろうか。最近何気にそれに近いことを漠然と考えていたところだったので、そういう意味ではタイムリーというか、非常に参考になる映像だった。まあ相当個人的な感想ではありますが。

ただドキュメンタリーの出来としてはどうかな。評価はまあこのくらいかなという感じ。ナレーションも何気に意図的で倍償さんがもったいなく感じるし、もう少し監督の想いを排除してサラッと映像だけでみせても良かったかな、とは思った。
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