創

彼女がその名を知らない鳥たちの創のネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

原作を読んでいるときは、ヤバイ私十和子と似てるかもしれない。というとんでもない危機感を持ったのだけど、
読み終わったら別に私は十和子ほどではなかったし、蒼井優の十和子と私は全然違ったわ。

安心安心。

蒼井優のことはとても好きなのだけど、
その割にどの蒼井優が好き?って聞かれると困る。
一番は選べないというよりも、本当は好きじゃないんじゃないか。ってぐらい浮かばない。
あえて挙げるなら鉄筋コンクリートなのかな。

その細ーい腕や指先や、一見あどけない笑顔、少し厚めの唇に、時々とんでもない闇と色気が宿る気がするから好き。
今回はその好きな蒼井優がてんこ盛りですごいテンション上がったわ。

とはいえ、やはり蒼井優の十和子には違和感が残る。

読み終わるまでは、ヤバイ私もこういうとこあるって思ってしまうような身近な狂気が面白かったのに、
振り切れてしまってるから、宣伝コピー通り、共感も同情も何もできない。

十和子が陣治と一緒にいるの陣治が十和子のことすごくすごく好きなの知ってるからだよね。
どんなに汚かろうが、黒かろうが、種無しだろうが、どぜうだろうが、その事実さえあれば良かったんだよ。

でも、それは文字と映像の違いだから蒼井優のせいではないね。
これは私の挑み方が悪かった。
ユリゴコロと違って身近に感じた原作といういらない期待を持ってしまった。

竹野内豊の黒崎さんのこと、えー。かっこ良すぎるだろー。恨めないよー。
松坂桃李の水崎のこと、えー。かっこ良すぎるだろー。変態に見えないー。
と思ってたけど、二人とも立派なクズであった。

阿部サダヲは安定してたなー。
私が原作読んでたせいか、どっちとも取れるなんとも言えない顔はやっぱり安定してたよ。
実際、陣治って十和子が言うほど汚い訳では無かったと思うしね。

村川絵梨のカヨも強かなお嬢様感がこれはこれでありだったし、
赤澤ムックの病んだお母さん感も良かった。
とても乱交してた人(愛の渦)とは思えないからすごい。

中嶋しゅうの國枝も、そら出番増やすよね。の迫力だった。

遠い映画館でしかやってなくて片道1時間だったけど観て良かった。
でもたぶん二度と観ない。悪かったとか良かったとかではなくそういう種類の映画だった。

でも、原作は読み直そう。
創