torakoa

オール・ザ・ウェイ JFKを継いだ男のtorakoaのレビュー・感想・評価

4.0
クオリティ高い作品だと思う。
リンドン・ジョンソンはおろか何ならケネディだってよく知らないぐらいの人の感想だけど。

ブライアン・クランストンが名優ぶりを見せている。
妻が出番はそう多くないながらファーストレディの存在感があるところも、慈愛が感じられるような演技もヘアメイクもよかった。最後に出てくる本人映像で、合成したのかと思うぐらい似ててびっくり。

『LBJ ケネディの意思を継いだ男』は観たはずなのに内容を思い出せず、これを観た後続けて観てみた。
ケネディ兄弟の添物みたいな、自分を卑下してるような自信なさげな風情の人で、こんなんで大統領にまでなれるものだろうかと不審に感じながら視聴したことを思い出した。準主役がロバート・ケネディなので致し方ないかもしれない。

こちらの作品はリンドン・ジョンソンという人を割とフラットな視点で、批判的なところもあるにせよ敬意も持ちながら一人の興味深い人物として描いていたように思う。ケネディ関連には必要最低限しか触れていない。興味深い人物だからケネディ抜きで見てほしい、といった感じがして私は好感持った。

準主役がキング牧師なので見せ方は自ずと違ってくるのだろうが、公民権運動で起こった事件の見せ方・絡ませ方なども印象的かつ効果的だと思う。主張はしながらも一歩引いたような視点から見せてくる感じで、それゆえにストンと入ってくるというか。
残虐性の表現は結果の残虐さを見せることに重点が置かれがちな気がするが、その内面にこそ残虐性があるのだということに改めて気付かされた気分。

演説とかアジとか熱を帯びて高揚していく感じもよく表現されてたと思う。どの人も盛り上げ上手というか引き込まれた。

見比べてみるのも一興だと思う。
あと、この役には福耳と用足しながらのディスカッションが必須らしいことに気づいた。それが特徴の人なのね。
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