雨の日にドラマは始まるね。
20年も間隔が空くと、けっこう
忘れていて、初めて観る作品の
ように思える。新鮮に観られる。
2度美味しいと喜ぶべきなのか、
もったいないと悲しむべきなのか、
わからないけど。
だけど、人間の記憶は不思議な
もので、始まって20分くらいで
けっこう思い出してくる。
何を？ストーリーを？いや、
まず、その痛みを。
20年ぶりの再鑑賞になるのか。
まぁ、そうでなくても、
20年前と今の自分では、
全く別のことを言うんだろうね。
ずっと見直したくて、
ベイビー・ブローカーと同じ
タイミングで観る事にした。
方や、雨の日に消えた男と
方や、雨の日に消えた女の話。
そうそう。想像するより、
単純なバイオレンス
アクションじゃなくて、
もっとウェットで、
もっと不可思議で、
もっと不条理で、
独特な世界観があって、、、
そうそう。
開けてはいけない部屋を開けて
しまった感じ、聞いてはいけない
会話を聞いてしまった感じ。
思い出してはいけない記憶を
思い出してしまった感じ。
あぁ僕は、忘れていたんじゃなくて、
忘れたかったのかもしれない。
全ての台詞に意味はあったように思う。
全ての台詞を書き起こして答え合わせを
したいぐらいだ。
久しぶりに会ったオ・デスは、
変わらず、禍々しい人ではない者で
僕の前に現れた。いったいどんな
アプローチをすれば、このオ・デスが
誕生させられるのか。
