不幸になるだのなんだのと言われ大木と結婚する儀式をしなければならなくなった主人公。そのことがきっかけで不思議な霊が現れるようになってしまう。かなり突飛なストーリーながら、それほど笑えるわけでもなく理由もわりとシンプル。
見どころとしては、独特のパンジャブ地方とシク教の生活であろうか。そしてかつて起きてしまった歴史的な大事件に行き着く。。。そうした異文化を知りたければぜひ。

• #インド

インドにいます！
スクリーンの前を子どもが走り狂ってて良かった。
売店でナチョスとコーラのセットを買おうとしたら500だったんだけど300しか持ってなくて、ソーリーオンリーナチョス（；＿；）って言ったら笑顔でコーラもつけてくれた！嬉しかった！

おお、木と結婚するインドの風習って本当だったんだ(アマプラオリジナルのインドドラマ「メイド・イン・ヘブン」にも木と結婚する回がある)

星の巡りが悪いと言われ、彼女と結婚する前に木と結婚させられるカナダ帰りの現代っ子カナン。木に宿っていたシャシという女性の幽霊を召喚して大パニック(笑) カナンのビビりっぷりとシャシのしつこさがドタバタで前半は笑った。そしてシャシ自身によって恋人ループラールとの過去がだんだんと明かされていって、ラストシーンは号泣までは行かなくても涙がホロリとした。実際の歴史的事件が出てくるけれど、世界史の教科書で少し目にしたことがあり、ああそういうことか…と胸が痛んだ。

この映画のメインであるのは、シャシとループラールの過去。王道と言えば王道だけど、羨ましくなるほどの純度100%の純愛で、情緒豊かで心へ素直に響いてくる。パンジャーブの悲恋物語と言えばヒールとラーンジャー(Heer Raanjha)が真っ先に思い浮かぶが、ミールザーとサーヒバーン(Mirza Sahiban)という悲恋物語もパンジャーブ古典の一つであるらしく、本作はそれが土台として出てくるのを知った。シャシが書いてループラールが歌うあの詩の名前は『Sahiba』で、「サーヒバーよ、あのミールザーの元へ行け」という言葉が力強くて胸を打つ。シャシとループラールが生きた20世紀前半のパンジャーブの村の風景は素朴だからこそ、詩やバングラ(音楽)がよく映える。美しい詩と音楽に彩られた2人の愛は輝いていた。

まだまだ若くて未熟な現代のカップル(カナンとアヌ)と、命がけで愛する昔のカップル(シャシとループラール)。ここが対比的で、前者が後者のことを知っていくうちに己を見直すところが良いね。シャシがアヌを案じて向ける眼差しが見守るようで、切なかった。

過去パートのヒロインであるアヌシュカー・シャルマーは魅せる演技が本当に素晴らしくて、本作のプロデュースにも回っていることもあり貫録さえ感じた。カナン役のスラージ・シャルマくんはかわゆい。「ライフ・オブ・パイ」での純朴な名残もあり、幽霊アヌシュカー様に最初ビビりまくるのがかわいそかわいい笑
ディルジート・ドーサンジはUdta Punjabに続いてヒンディー語映画2作目ということだけど、既にパンジャーブ人スターの地位を獲得してるので、アヌシュカー様と並んだらマジでめちゃくちゃ絵になる、マジで。パンジャーブの気骨と人情に溢れる男を演じさせたらピカイチ。あと、私個人としてディルジートの顔がタイプだと思った。

パンジャーブ、人も景色も文化も美しい。いつか行ってみたいと思うほど、強く惹かれた。