とむ

ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男のとむのネタバレレビュー・内容・結末

4.8

このレビューはネタバレを含みます

終盤、まさかのどストレートな王道展開で、握った拳が熱くなった。

予告編、というよりは、アカデミー賞ノミネート時のハイライト映像を観て、
センスの良すぎる画作りにノックアウト。
これは見に行かねば!と鼻息を荒くした。

しかし、年度替わりのシーズン。
怒涛のように押し寄せる業務で深夜残業が続き、あれよあれよとひと月以上経ってしまい、今日ようやくの鑑賞。
(関係ないけど、同じ理由で「クソ野郎と美しき世界」を見逃してしまいました…不覚)


開始直後1カット目の国会のシーン、あれヤバイ良くない?
長回しの使い方から、画面構成から計算され尽くしてる。

それ以降も、首相に任命される廊下のシーンの光の当たり方とか、
エレベーターを引きで捉えたシーンとか、
予告編にもある螺旋階段の俯瞰で捉えたシーン(これ、多分ハーケンクロイツを意識してるよね?)とか、
書類の舞う国会をチャーチルが後にするシーンとか…
とにかく、全編通して画力(エヂカラ)による画面への引き込みがとんでもない。


そして単純にストーリーもめちゃくちゃ面白い。
昨年話題になったクリストファー・ノーランのダンケルクが記憶にも新しいだけに、
歴史・社会科門外漢の自分でもストーリーに関しては問題なく楽しめました。

会話劇としても面白いし、
文字や写真を使った演出も個人的に大好物なので、ひとつひとつが堪らんかったです。
言わずもなか、Vサイン≒○○○○○のところとかね。


また、地下鉄のシーンは「一度諦め掛けていたものに再度改める」という意味でラストへの展開を示唆していたり、
細かい表現の巧みさにも事欠かない。
実際にああいうことが現実にあったかはさておき、展開として激アツで最高でした。


画・音・物語と、映画として必要な全てをしっかり取り揃えた超一級品の作品だったと思います。
いやぁ、劇場で観ることができてよかった。
とむ

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