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メゾン・ド・ヒミコのshinoのレビュー・感想・評価

メゾン・ド・ヒミコ(2005年製作の映画)
5.0
"欲望なんだよ。欲望が欲しいんだ。"

海辺でひっそりとでゲイのための老人ホームを経営する、卑弥呼とその男の晴彦(オダギリジョー)。
末期がんの卑弥呼のために、昔彼がオカマであることをカミングアウトしてから会っていない、娘のサオリ(柴咲コウ)をホームに雇うことにする。

犬童監督らしい、静かで温かくて不思議な雰囲気の映画。邦画で一番好きな作品です。

まずですね、特筆すべきはオダギリジョーの美しさ。魅力的すぎて辛くて何回か停止して頭を抱える。笑
緩めのシャツをインした股下深めのパンツ。上下真っ白なスーツ。普通の人が着たら完全にオタクかチンピラになる。なぜあんなにかっこよく仕上がるのか…!!
あんな人に迫られたら、ゲイじゃない男性でも扉開いてしまう。
一方で柴咲コウは、持ち前のまばゆい美しさは封印して、どこか幸薄で陰気なサオリを演じています。

老人ホームは異質と言えば異質。ゲイであることを隠さず、明るく生きている様に見えて、やはり家族との関係にはいつも闇を抱えている彼ら。
性別ってなんなんだろう…大切な相手であればあるほど、その違いに理解を示すのはきっと難しいんだろうな。

途中で出てくる、「私が泣いてる理由は、専務が思ってるどれとも違います。」って台詞の「理由」、女性なら少し分かるのでは…
晴彦とサオリの関係は一言では表せないもどかしさと切なさと苦しさがあって、またそこがこの作品の魅力です。

柴崎コウも西島さんも田中さんもいいんだけど、やっぱりこの作品では滅びゆく美しさと異常な色気を醸したオダジョーに酔いしれてほしい。

ぴきぴきぴっきー。
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