オベルヴァルトの謎の作品情報・感想・評価

「オベルヴァルトの謎」に投稿された感想・評価

ロラン

ロランの感想・評価

3.0
ジャン・コクトーの『双頭の鷲』をアントニオーニが再映画化したもので、当時は革新的だったビデオカメラで撮影された。画面全体を原色で覆わせるという独特の設計をしていて、会話シーンでは二人の人物にそれぞれ異なる色の光を当てるという実験的な演出も見られる。

物語は、王妃暗殺を目論む負傷した男をモニカ・ヴィッティ演じるその王妃が城内に匿うことで二人が惹かれ合うという、ロッセリーニの『ヴァニナ・ヴァニニ』やタヴィアーニ兄弟の『サンフェリーチェ 運命の愛』と似た内容で(イタリア人はこの話が好きなの?)、ヴィッティは『赤い砂漠』以来、実に16年ぶりにアントニオーニの映画に出演した。

密室劇ということもあって、大部分が室内での会話劇に終始する展開は、観た当時やや退屈したけど、互いに腕を愛する人へとのばしながら息絶え横たわる二人と、それを目撃する不動の兵士たちのラストショットは忘れ難い。