るるびっち

ライフ・イットセルフ 未来に続く物語のるるびっちのレビュー・感想・評価

2.7
薄味の人生カルピスを、4杯飲まされた感じで飽き飽きする。
人生を「死」と「別れ」でしか描けない稚拙さ。
丸で愛情表現を、「愛してる」「好きだ」と叫んでるだけなのと同じ。芸がないし味わいがない。
園児の落書きと同様に単純で、そんなものが表現とも人生とも思わない。

それぞれのカップルのイチャつきや、日常の幸せを表す他愛ないジョークがどれも似たり寄ったり。監督の引き出しの少なさを露呈している。
国も時代も違うはずなのに、カップルが皆同じに見える。
だったら薄味カルピスを4杯も出す必要はない。
味の濃い一杯のジュースを出してくれ!!
それが出来ないから薄味4杯出してるのか? と疑いたくなる。

スマホをいじっていたから現代から始まるが、最後はその孫の世代なので40年先の未来だ。しかしそうは見えない。全て現代の話として描いている。どの話も並列で、時代の違いは計算に入れてないらしい。
ボブ・ディランが40年先に影響を与えてるかは不明だし、その辺は安いSF映画よりもリアリティがない。
最後の語り部の正体が判明した時に、膝を打つ!!
て、ならない・・・お前生まれる前の話なんで知ってるねん、適当にでっち上げてるやろう? だから「信用できない語り部」なんかい? それは単なる設定の甘さの言い訳やんか。
「信用できない映画」に決定。

昔、『ルーツ』というTVドラマで何世代もの家族を描いていた。
初代クンタ・キンテ、三代目のチキン・ジョージ、現代のアレックス・ヘイリー。それぞれ黒人で差別を受けていても違う問題を描いていた。時代の変化もあるし人間ドラマとしての厚みもあった。
手塚治虫の『火の鳥』は未来編・鳳凰編・異形編それぞれ全く違うドラマだ。同じテーマでも、時代もストーリーも全く違っていた。
昔の作家は、そのように幅広く色んなものが描けたし厚みがあった。
天然果汁100%の濃いジュースであった。薄味カルピスではない!!

(濃いカルピスと書くと何故か卑猥だから、天然果汁100%にしました。テヘペロ💦)
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