Aya

ワンライン/5人の詐欺師たちのAyaのレビュー・感想・評価

3.1
まず私は、ケイパーものが大好きだ!!

そしてキャストがいい。
威勢のいいイケメンボス、チン・グ씨に、善人ヅラした抜け目ないイム・シワン。抜け抜けイ・ドンフィくん、強面パク・ピョンウン씨、そいていい塩梅のおばさん感が出まくりのキム・ソニョンの5人。
  
イ・ドンフィくん今回も情けな役じゃん!

チン・グ씨はなんか結婚してからブタ街道まっしぐらだぜ!と思ってたら、映画の中で1年後イイ男になってたw・・・前髪か?

イム・シワンは本当にノリにノってますね!!
気弱な文学青年から音大卒軍人。そして今回はゲス天才詐欺師。
しかし抜けない善人感・・・。

アイドルだったのが嘘みたいにいい俳優だし、歳のわりにグッと若く見えるし、こりゃ兵役後も安泰だわ・・・企画が待ち待ちじゃないですか?

そして上の5人+パシリの元ヤクザのバカ。
そのアジョシにイム・シワンが俺と組んで儲けねえ?とお声かけし、元いた事務所になんか威厳を見せに行くんですけど、この時の新しいヤクザの形!

殴らないけど、バリケードで守って一切抜けさせないっていうw
しかもこれが後から効いてくるなんて!!
これもバカの使い方が上手い作品。

ボス、チン・グ씨の信念は銀行融資詐欺をメインでするものの、不動産、保険、銀行には手を出さない。
なぜならこの3つは融資を受ける一般市民の毒になるから。

そして銀行融資は返済能力のない人間に無理に金を貸して不幸にするという考え方で、人助けと称して銀行融資詐欺をメインにしてるんですね。

とりあえず、偽造した身分で嘘の事業や担保をでっち上げ、銀行から融資を引き出すんですけど

イケメンを前にした女は簡単に金を出すなあ。

でも美乳を前にした男はもっと簡単に喜んで金を出すなあw

しかし、ある凡ミスでアジトと身元がわれてしまい、身をひそめるために解散することに。

パク・ピョンウンは以前から銀行と手を組み頭取になって社会的地位を得たいとイ・ドンフィくんとあこぎな方法で表の道へ。

イム・シワン+3人はボスの仕事をそのまま受け継ぎ、いい感じで稼いでいくのですが、ここからあの禁忌3つのうちのひとつに手を出してしまい、自ら破滅の道へ突き進む・・・と思ったらわりと簡単に昔の仲間、パク・ピョンウン組に付け込まれまして終わったw

その付け込まれ方がアホくさい。

で、話はチン・グ씨の言ってた銀行批判から始まって貧困層を使った詐欺、というちょっと銭形平次みたいなとこではあるのですが、実はそれを引き継いだイム・シワンくんには、なぜ貧困層の味方をするか、というとこに結構大きな理由がありまして。

やはり貧富の差問題なんですねこの映画。
そのテーマの示し方はまったくうまくないんだけど、めっちゃ汲み取ってあげて多分そういうことなんだと思います。

というわけで要約すると、元々同じチームだったのにボスの解散宣言で枝分かれした考え方の違う悪党同士が足を引っ張り合う話。

後半にいくにつれ、枝分かれした同士の対決がメインになり、実はこうでした!そうでした!というのも含めてネタバラシあるんですけど・・・あんま面白みないかな〜。

ケイパーもの好みじゃない人には全く面白くないと思うし、ケイパーもの大好きな人にはええ〜こうしたらいいのに〜ってとこが多すぎる。

今まで儲けまくって調子に乗ってたイム・シワンの心変わりがちょっと意味わかんない。
刑事のおっさんもなぜ1年も執拗に追いかけた犯人とそんな関係になるのか全然説得力ない。

一応、悪い敵、アコギな方向に行って、銀行と結託して貧困層を不幸にした側をやっつける話ではあるんだけど、その倒す敵はやっぱり貧困の発端である銀行のお偉いさんや、結託している国家権力であって欲しかったなあ。

そりゃパク・ビョンウン씨もクソ野郎だけど、その人も今までの人生色々あったでしょうし、責められてるのって、自身が権力を持って悪徳な方法で弱者から金を巻き上げた、って理由は別に納得できなくないけど、スカッとしない。
もっと根底の敵は違うくない?感ハンパない。

ラストとか、すごい良いお天気でみんなスーツでカッコよくキメてるからなんかいい感じに見えなくもないけど、そのチン・グ씨が「ハメたな」って微笑むの、何にハメられてるのか全然わかんなかった。

え?階段?
だとしたらぜんっぜん面白くないんですけど??

まあ〜長編初監督作品でこれだけスケールのでかいケイパーものを、それぞれの魅力の違う俳優を使ってキャラクターをうまく作り、なんとなーくこれだけのものを撮れたら御の字な感じかな〜。

まあ、これに比べたら同じケイパーものでいうと「技術者たち」の方が断然面白いし、社会派とかは置いといてエンタメ!に徹した「マスター」はめちゃくちゃ面白かったな、と。

次作に期待かな。

Aya

Aya