真っ黒こげ太郎

ザ・ヴォイド 変異世界の真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

ザ・ヴォイド 変異世界(2016年製作の映画)
3.8
「死は…終わりではない…」

「違うね…! 死は…終わりだ…!」



とある病院で看護師の一人が発狂したのを期に、謎のクリーチャーが襲い掛かる!!!
更に変なカルト連中に取り囲まれるわ、謎の2人組が乱入してギスギスするわで、えらいことに!!!
そんな中、妊婦の為に薬を取りに地下室へ向かった看護師を追って保安官達が向かうが、その地下では恐るべき狂気の秘密が隠されていた…。



田舎町の病院を舞台に、謎のクリーチャーやカルト教団達に襲われる人々の恐怖を描いたオカルト・ホラー。
監督が「マンボーグ」のスティーヴン・コスタンスキ氏で、何かグログロデロデロなクリーチャーが出てくるらしいので鑑賞。


お話は病院の人たちが謎の教団に襲われるお話…なんだが、これがどういう話なのかよく分からん。
一応「実は主要人物の一人が元凶で…」的展開や「謎の教団との闘い」的なお話自体はあるし、そこまで複雑怪奇な内容と言う訳でもないのだが、謎が異様に多い上に明確に明かされないところもあったりして、何と言うか何を描いているのかよく分からなかった。

オチも謎が謎を呼ぶ謎まみれなラストで、俺の頭の中には終始「?」や「!?」が浮かんでいた。

肝心のクリーチャーもぞ異形は良かったけど、画面が暗かったりして良く見せてくれなかったのが残念。
グロいシーンなんか良い出来なのに、何か勿体なく感じた。


正直、人によってはダメ映画認定かもしれん。
だが、俺はこの映画、案外嫌いじゃないんだよなぁ。

話のテンポ自体は良いし、ビジュアルは見ずらい所がありつつもちゃんとしている。
謎を出しつつも超展開な連続の内容は「訳分かんねぇ!」と思いつつも飽きさせずに観せてくれる。

ここまで話がぶっ飛んでいて、着地点が見えないと逆に面白かったりもした。
もう作者さんは「考えるな!感じろ!」精神でやり切ってしまったんじゃないかね。w

80年代のホラー的なのを感じさせる作りも好感触だった。
俺もそこまで詳しくないので上手くは言えんが、あの頃の作風をガッツリぶち込んだ様な作りは何か愛おしかった。
(我ながら何言ってるかよく分かんないが、そういう気持ちになったんですよ。)


正直、真っ当なオカルトホラーを期待したら失望するだろう。
お話もアレ気味だし、「何がしたかったのか」を求める人は向いてないだろう。(強いて言うなら「80年代のホラー的なのがやりたかったんだ!」と言った所だろうか。)

だが、謎まみれながらも勢いよく進む話やグロ率多めなクリーチャー等、好きな所が多く惹かれてしまい、何だかんだで俺は結構楽しめてしまった。

80年代的な物をひたすら詰め込んだ、闇鍋状態の怪作。
俺は意外と好物でした。w