ミッキン

きっと、いい日が待っているのミッキンのレビュー・感想・評価

3.8
実話である。
映画としてよく出来ている。映像は綺麗だし、子役は皆とても演技が上手く最後まで引き込まれた。
ただ、内容が重たすぎて、残酷すぎて辛すぎるのである。
日曜日の晩に観る作品ではない。明日から一週間仕事を頑張る為にタイトルだけで選んだが、期待したハッピーな物語ではなかった。(冒頭は『宇宙兄弟』的な展開を少なからずイメージしたんだけどね)

何故誰も声を上げない? 理不尽だと分かってて見て見ぬふりをする教師たち。叔父さんも、ハマーション先生も、兄弟から実状を聞いているのにどうして外部に訴えないのか。結果的にエルマーが身を呈さなければ虐待と偽装はずっと続いていただろう。

時代なのか、デンマークの基質なのかは分からないが動かない、動けない、動こうとしない人達に無性に腹が立った。
最後に勇気を振り絞って手を挙げた幽霊達。本来なら泣けるシーンなんだけど遅いと憤ってしまったよ。

全然通してアポロの月面着陸がリンク。
人間にとって小さな一歩。しかし、エルマーの投じた行動は施設にとっても大きな一歩だった。

ある意味、憎たらしすぎる校長を演じきったラース・ミケルセンは名優なんだろう。もし自分が狂気に満ちた映画を撮るのなら彼に出演オファーしたい。