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シェイプ・オブ・ウォーターのharuのレビュー・感想・評価

5.0
第90回アカデミー賞受賞作品。

クリーチャーと掃除のオバちゃんの愛の話。

「パンズラビリンス」のようなダークな雰囲気はかなり薄れ、ストーリーもストレート。気になっていたクリーチャーの造形は、遠目だと強そうでしたが、正面から見たらものすごくかわいかった。スターウォーズの某キャラに似て、つぶらな瞳が全く怖くない。猫を頭からバリバリかじったとしても、全く怖くない。むしろ悪役のマイケル・シャノンの方がだいぶ怖かったです。
人間でない生き物と人間の間に発生する関係って、良くて友情だと思うのですが、デル・トロは恋愛まで持っていったのがすごい。イライザの「言葉を話せない」という設定は、二人が恋に落ちるのに必要な要素だった。互いに互いの孤独を感じるためには、やはり同じ立場である方が自然。もしイライザが言葉を話せたら、きっと彼女は彼のためにゆで卵を用意することはなかったのでは。
二人以外のキャラクターも、社会的にマイノリティとされる人たちばかりで、そこは少し狙いすぎな気もしたんですが、だからこそ友人たちは二人の恋を応援したと考えると、この話は現実とは程遠い、美しいおとぎ話になる。
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