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サイレンのMoviePANDAのレビュー・感想・評価

サイレン(2017年製作の映画)
4.5
『僻見の先入観🚨』

先日、津川雅彦さんがお亡くなりになりました。津川雅彦に対する子供の頃のイメージ、それは濡れ場に出てくる男の人というイメージ(ゴクリ😧)。そのせいもあって「この人はいやらしそうなおじさん」という先入観を持ってしまっていて、間違っても「この俳優さんを好き」と思った事はありませんでした。

でも十分に物心が付きたくさんの映画を観ている中で、ある監督の映画作品に出会いそのイメージが変わる事になります。その監督の名は伊丹十三。初めて『マルサの女』を観た時のオープニングのインパクトは忘れられません💦何てったっておじいちゃんが... (観てない方もいらっしゃると思うので以下自粛🙇)

『マルサの女』での津川雅彦の役柄は、宮本信子演じる主人公の上司。この役柄には色気は感じられない。むしろ、日本特有の中間管理職の苦労や哀愁なんかを感じさせる役柄。なのに、なんだかカッコいい✨あくまで“ふつう”の佇まいなのに大事な場面で頼りになるカッコよさ😳この映画に出会い、津川雅彦という人への僻見(びゃっけん)が良い意味で消え去りました❗️

若い頃は日本一ブロマイドが売れた時期もあったお方。そのイケメン故、演技をなかなか認められず苦労もしたそうですが、悪役をやる様になってからいわゆる“やっかみ”の声が消え、名優と認められていきます。また、兄である長門裕之との確執という切磋琢磨もまた、俳優としての成長に影響があった様ですね☺️そんな確執も年齢を重ねる中で徐々に消え、そして念願の映画監督デビュー❗️そのマキノ雅彦監督名義のデビュー作『寝ずの番』。忘れもしません、ボクが劇場で観た作品史上一番混んでた❗️😲しかも周りはご年配の方だらけ😅でも、楽しかったんですよ📽️みんなで笑って、粋でいて、ホロリと泣けて💧それで尚且つ最重要な役を演じるのがお兄ちゃんの長門裕之ですからねぇ。もう、それだけで泣けますよ😢とまあ語り始めたら止まらなくなる位、津川雅彦の佇まい、間、語り口等いろいろと大好きなボクです🐼

そして、この作品『サイレン』。
事実上、彼の最後の主演作と言っていいと思います。約18分のショートフィルムなのですが、とても完成度が高い❗️大々的な劇場公開等が無い分、予告編的な期待を高まらせる役割と掴みの役割両方を担ったオープニングから一気に心を掴まれ、どう落とすのかドキドキワクワク😧始まりの雰囲気としては、サスペンスフルなホラーの様相😱🔪見るからに危なそうな一人の外国人と、孤独な一人暮らしの老人。いきなり提示される出来事。しかし、真相は謎。尺の短さを活かしたスピーディーな時系列操作でグングン緊張が高まる展開。映画を観てきた者こそ導く展開予測。
「やはり!」
しかし、その予測は...

映画というものの魅力が凝縮された作品だと思います😃入り口と出口の妙。そして、先入観。これだから、映画は面白い❗️俳優・津川雅彦の最後の主演作。YouTubeで観れます。リンクを貼っときますので、お時間許す様ならぜひご覧になってみてください❗️なかなかの力作だと思いますよ🐼

https://youtu.be/7v2gGNdXlPE
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