『 命を賭けたＧＡＭＥ 』
「AIR/エア」は題材を変えた「アルゴ」であるという事をこないだレビューに記したとこでしたが、この「テトリス」はまさにその二本を合わせ技一本にした様な映画！というわけで、前々から観るのを楽しみにしていた映画「テトリス」。満を持して、この度鑑賞させていただきました！
製作時期的から考えて「AIR/エア」をお手本にという事は考えにくい。ただ、どう見てもお仕事映画meets「アルゴ」なのはホント「AIR/エア」と被るとこ！「AIR/エア」はジョーダンをあえて主役に据えずあくまで契約までの説得、強いては対話とリスペクトを主題にした映画だったのに対し、こちらの「テトリス」は同じく対話の重要性もありつつ、あくまでエンタメに振り切ってる！その点、あまりに“過ぎる”脚色というか、いやいやホントにそんな事あった？な描写は評価を分けるマイナス要素にも映る。
ただ、このゲームの権利獲得を賭けた闘いをまさにゲーム的に“大いに盛って”描くアプローチは、今作においてはとても有効であったと見た！まあ、あまりに分かりやすい勧善懲悪である点とか、良くも悪くも半沢以降の日曜劇場的チープさもある。でも、その大いなる分かり易さがあればこその感情移入と応援視点が加わったのも事実。だからこそ、まさに「アルゴ」の様な展開に突入するクライマックスにハラハラさせられ、娯楽作としての安牌な着地にもイイ意味で「こうでなくっちゃ！」と思わされました！
演出面でいうと、場面転換の度の8bit風演出はちょっとしつこく感じたけども、カーチェイスをファミコン的グラフィック処理で高めていくのは面白かった！また、ご多分にもれずこの映画で描かれる日本もトンチキジャパンではあるんだけど、文音(長渕剛と志穂美悦子の娘)さんのキャスティングで何とかリアリティラインを持ちこたえた感あり。あと、劇中で「Holding Out For A Hero」と「The Final Countdown」を流された日にゃそりゃアガる⇈ だから、映画としての出来は「AIR/エア」の方が断然上ですが、その2曲の効果で同点としちゃいます(笑)
