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ザ・フラッシュのMoviePANDAのレビュー・感想・評価

ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)
3.9
『 運命への抗い⚡』

ただでさえ様々な事由で公開延期を重ねていた所に、更にその後のエズラ・ミラーのあまりに“おイタが過ぎた”逮捕劇、そしてそんなこんなしてる内DCEUは新生DCユニバースへ... 正直、観る前から観る気が失せるニュースばかりが悪目立ちする中、そこへ試写でDC史上最高得点獲得の一報が!まさに様々な想いを抱えながらスクリーンへ赴きました。

何せボクの中で「ジャスティス・リーグ」はスナイダーカットを以てしても“無し”だったわけで、そもそもフラッシュへの思い入れも皆無。しかし、そんなボクをも否が応でもアゲてくるオープニングは純粋に楽しく、こういうのこそヒーロー映画!と言いたくなる素晴らしいオープニングだと思いました。そして、更に沸点へ導くかの如く怒涛の展開!最初でこんなに盛り上げちゃって大丈夫?とこの後の展開が少し心配になる位の盛り上がりでした!

その後は今回の主題となるストーリーが展開されていきます。一言で言えば、“ひとりノー・ウェイ・ホーム状態”とでも言いましょうか、まさに自業自得な状態。自らしでかした事により“どげんかせんといかん”な状況に陥りつつ、それをある意味で「バック・トゥ・ザ・フューチャー」的に、且つその偉大なる作品へ別解答を突きつける様にもとれる意義あるアプローチで描かれています。

予告編の通り、今作ではマイケル・キートンが約30年振りにバットマンを再演!ただ、ボクが映画をたくさん観る様になった頃のバットマンはジョエル・シューマカー版。なので、キートンバットマンには本来そんなに思い入れは無い。にも関わらず、あの音楽がかかりキートンその人が今バットマンを演じている姿がスクリーンに映し出されると目頭が熱くなりました!また、エズラ・ミラーの演技は本当に素晴らしいですね。「ジャスティス・リーグ」ではややウザくも感じたフラッシュ。今作ではそのウザさもプロットに上手く昇華され、笑いあり涙ありな大満足な内容になっていると思いました。そして、スーパーガール!とんでもないカッコよさです!恐らくこの映画を観た多くの人がサッシャ・カジェ様「好き🩷」となってしまった事でしょうw

だ・か・ら・こ・そ...
嗚呼、色々ともったいないなぁという想いが込み上げてきます。まず何よりエズラ・ミラーその人の事。当然、昨年の色々を知ってしまっている我々。作品その物に罪は無いのかもしれない。とは言え、どれだけ贔屓目に観たとして絶対にその現実がノイズとなりチラつく。その現実が無ければ笑って済むシーンが、そうは映らない現実。続編作って欲しい面白さ!と思ったとして、それは叶わないのだと諦める事が出来てしまうこの気持ちもまた現実なのです。また、決定事項としての今後の再編、いや完全リセットもまたこの映画に虚しさを感じさせる一因となってしまったと思います。

「過去の傷が今の我々を作る。」
劇中のある人のセリフ。DCを取り巻く現状は避けられない運命だったとして、このセリフが良い意味で響くリベンジを果たしたであろうDCの未来を願うばかり。また、スクリーンで観る事等決して叶わないと思っていた思いもよらない夢の様なシーンには感涙でした。その点については素直に「ありがとう!」とお礼を申し上げます!
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