音楽の力は偉大、と感じさせてくれる作品。
ただ、映画としての魅力はほとんどありません。
QUEENとフレディの人生を描いたドキュメンタリー的な作品ですが、ストーリーの起伏がほとんどなく(ドキュメンタリーなので仕方ありませんが)、登場人物たちがピンチに陥ることはありません。
精神的な葛藤や人間関係の難しさ、セクシャリティへの問いかけなど現代社会で多くの人が思い悩んでいることを描いている点で、強い共感を得ていることは理解できても、映画として楽しめるか、と言われればうーん。
シーンやカットで素晴らしい点はいくつもあります(ライブエイド前に仲間にエイズを打ち明けるシーンは出色です)が、全体的には退屈感が否めません。
ただ劇中で流れる楽曲はやはり素晴らしく、彼らが偉大な音楽家であるのを再認識できました。
また彼らの人生が"音楽"によって繋がり、支えられているというテーマが作品全体から感じられたのは良い点でした。
エンタメ作品といしての映画の点数は低いものの、テーマ性や音楽の素晴らしさなどを体感するには非常に優れた作品でした。