ベルサイユ製麺

ガーディアンズのベルサイユ製麺のレビュー・感想・評価

ガーディアンズ(2017年製作の映画)
2.8
この奇怪な作品の一報が流れた時、好き者の皆さんが色めき立っていたのをよく覚えています。そして実際に鑑賞された方の落胆ぶりも…。

ロシアンヒーロー・ユニバース映画!!ユニバースの使い方間違ってるだろうか?
イントロが凄く『ウォッチメン』ぽいです。ロシアン・ウォッチメンなんて絶対最高の筈でしょ?単なる実話でしょ?

かつてソ連軍部が行なっていた人体実験(遺伝子操作との事ですが見たところ完全に外科手術です)の結果、ぽつぽつミュータントが生まれまして、でその技術を悪用しようとしていた科学者クラトフ氏がナンヤカンヤによって自身もミュータント化します。更に乗り物を自由に操る力(電子制御じゃなくても良い!)も手に入れ、50年経った今、ロシア政府に宣戦布告!政府はクラトフに対抗するために各地に散らばっていたミュータントを集める事に…。

《《《《《ちゃちい》》》》》
杜撰なお話も、最初のプレステぐらいのクオリティのCGも、全てがちゃちい。もはや可愛い!
映画自体が短いこともあって、仲間集めのスムーズさとか驚きますよ。なんて物分かりのいい子達なんだ!
仲間①岩石を自由に操るおじさん
仲間②瞬時に移動でき、なんでも真っ二つに切る男。※二つの力の関連は不明。
仲間③怒ると熊になるおじさん。SEGAに訴えられないか?
仲間④透明になる少女。ナンバーガールが歌っていた子か?
…圧倒的物足りなさ!
そもそもロシアの人たち、普通に熊とじゃれあったり、雪が深いからって4階の窓から飛び降りたりとそもそもの超人度が高めなのに、こんな程度で良いのですかい?特に岩おじさん。不憫にすら感じてきた。このX-MENの二軍みたいなメンバーには不安感しか有りませんが、敵の兵隊は普通人間なのでバッタバッタとなぎ倒せます。でもクラトフが超強いマンなのでコテンパンにやられて、でちょいちょいとパワーアップして再起です。
岩男は岩をより良く操れたり、瞬間移動の人はちょっと忘れましたが、熊おじさんは重火器をいっぱいつけてもらえた。…熊の良さは⁇
驚いたのは透明少女!なんと、手に持ったものも透明に出来る!そんなカードゲームの“効果”みたいな都合の良い能力あるのか!
で、更に彼等には“合体ビーム”という最終奥義が有ることが判明…。子供の遊びの終わり方みたいですね。合体ビーム…。ぼかーん。

あー、まー、とにかく幼稚で有るということを知った上で、クーポンなど使って見る分には悪く無いと言えなくも無いです。今作は残念ながら、ロシア×ヒーロー軍団のイメージからはかけ離れた全く凄味の無い作品で、でもちゃんと撮れる人がロシア版『スーサイド・クスワッド』みたいなテンションで撮ってくれたらきっと面白いに違いないので、引き続き極悪ロシアンヒーローの誕生を心待ちにはしておりますよ。出来ればインドネシア版ヒーローユニバースとか観たいなぁ。針金やナタを(罪悪感ゼロで)(手で)操るヒーロー達…。