まるちよ

ミスター・ガラスのまるちよのレビュー・感想・評価

ミスター・ガラス(2019年製作の映画)
2.8
「アンブレイカブル」「スプリット」「ミスターガラス」3部作のラスト。
実に19年越しの完結となる。
「監視人/デヴィッド」「ミスターガラス/イライジャ」「群れ/ケビン」の3人は精神病院送りにされて、そこであんたらはヒーローという妄想を描いているただの一般人だ、と矯正されることになる。

前作から続けてみているとこの展開にまず驚いてしまう。
あんまり期待してなかったけど、やっとマーベルみたいな戦闘が見れるようになると思ったのに・・・。

でも、アンブレイカブルから見ているとこの病院内でのやりとりこそが「ヒーローなんか居ないんだよ」という現実世界の失意のものたちへの同調圧力を揶揄しているんじゃないかと感じて、不思議と3人を応援したくなってしまう。
3人が3人とも失意のものであるということは、前作から見ていると重々承知しているから、対決するシーンは見ていてとても切なかった。
ヒーロー3人と、それを取り巻く3人の関係者で誰も幸せにならないけど、最後でちょっと報われる。

最終的なオチはシャマランらしいサプライズが待ってるけど、「えー!」というよりは「良かったね・・・」っていう嬉しいサプライズで良かった。
正直その前の「組織」についてのネタばらしは説得力が無いというか・・・。ミスターガラス個人に恨みを持つ被害者の会的な位置づけなのか、それとも古来より続く特別な組織なのかちゃんと判断がつかなかった。
どっちに転んでもいきなりすぎるし、どうも実際のアメリカンコミック文化に対するシャマラン監督なりの投げかけなのかもしれないけど、ちょっとわかりづらく強引に感じる。
畳みづらいテーマなので、しょうがないけどせめて登場人物には幸せになって欲しかった。

◆良いところ
- 曲者俳優3人の共演が素晴らしい
- デヴィッドの子役がまんま大人になって成長した姿で出演してるのに何故かウルっときた
- ビーストになったケビンとデヴィッドの戦いが地味だけどかっこいい

◆悪いところ
- 各キャラクタのラストが悲しすぎる
- 地味である
- 組織の存在に納得がいかない
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