Aya

あの人に逢えるまでのAyaのレビュー・感想・評価

あの人に逢えるまで(2014年製作の映画)
3.9
28分のこの短編の為だけに大阪に行ってもいい映画です。
良い良いとは聞いてたけどここまでグッとくるとは・・・。

南北分断・・・これはもう武器ですよね。
今世界でkoreaしか作れない題材ですよ。ドイツはさぞかし悔しがってることでしょうと誰かも仰っていましたがほんとそうで。

戦争で離れ離れになってしまった離散家族がテーマ。

ドラマティックや。

そうなのよ。ちょっとドラマティック過ぎじゃない?みたいな演出もあるんだけど、ためにためた展開なので、この短い尺の中ではこの厚さは必要なんだよ。

ムン・チェウォンの魅力が炸裂してる。
ちょっとイモっぽい服装で古い韓屋に暮らし、料理や花の水やり、おばあちゃん達に混じってのエクササイズやリハビリが日常。
彼女は記憶障害があり、昨日のことを忘れてしまう。
常にメモを取り、毎朝アメリカに住んでいるトモダチ、からの電話で1日が始まる。

そんな彼女が忘れないものは帰ってくるはずのミヌさん。
彼の帰りを待ちわびて、毎日腕によりをかけて美味しい料理を作る。

この料理がまた美味しそうなんだー!!
この前に見た「バッカス・レディ」にもソーセージのジョンが出てきて、うわー食べたー!と思ってたらこっちのジョンには彩りトウガラシを乗っけたりしてもう!って感じでした。

そしてふっと眺める鏡。
写真が物語る本当の姿。

ちなみにほんと数秒しか出てこないコ・スさんの魅力もスパークしてると思います。
見せるものと見せないものの取捨択一が完璧。

帰ってくるはずのミヌさんが帰ってこない。
だから会いに行く、ってなった時のショックよ。
嬉しいことのはずなのに、パニックになる主人公。
そして・・・。

こういう問題がまだまだ現在進行形であり、且つどんどん当事者が歳をとってゆく為、1家族でも多くの人が再会できれば良いのに、と近くて遠い国から願わんばかりです。

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2回目 9/18 京都シネマ

始まって3秒で号泣。
本当にムン・チェウォンが素晴らしい。
音楽もいい。
「お金出すから一緒に見よう!」と誘った妹も当たり前のように号泣し、見終わった後に「お金出す!」と言ってきたw
Aya

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