ばーとん

BPM ビート・パー・ミニットのばーとんのレビュー・感想・評価

2.0
HIV患者への社会的差別に抵抗する実在する団体についての映画。舞台を90年代に設定したため、エイズが死病だった時代の、切迫感、絶望感は深刻だ。レジスタンス活動家が戦いの果てに死んでいく「灰とダイヤモンド」ばりの展開。で、映画が本当に訴えたいのは90年代のオハナシではなく、現在のLGBTQアクティビストの肯定であり、ここ10年ばかりで先鋭化してきたダーバーシティ的社会変革の肯定だ。その為には多少行き過ぎた行為があっても大目に見てねと、多少プロパガンダが匂う。
好意的に解釈すると、利権ビジネスの手駒として踊らされた若者たちの愚かしさまで描いていると読めなくもない。前後の脈絡もなく何故か4度もインサートされるダンスシーンが「踊らされる若者」を象徴しているのだとしたら、たいしたもんだが。映画のラストもダンスシーンで終わるからね。
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