エソラゴト

2重螺旋の恋人のエソラゴトのレビュー・感想・評価

2重螺旋の恋人(2017年製作の映画)
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主人公クロエは原因不明の腹痛に悩まされ、ある精神科医のカウンセリングを受けることに。その後なんとか克服し、それがきっかけでその精神科医と恋に落ちるも…

DNAの基本構造は二重螺旋。一卵性双生児の場合のDNAは全く同じ。にも関わらず性格は正反対であることが多いと聞きます。因みに私が今まで知り合った2組の双子はやはり性格はまるで違っており、一方は明るくて社交的、もう一方は大人しくて控えめー。

もし自分が双子の片割れだったら?お互いを運命共同体と捉えて助けあって生きていくのか、はたまた相容れない敵とみなし対立するのか…。随分昔にD.クローネンバーグ監督の『戦慄の絆』を鑑賞した際、こんな想像を膨らませていた事をふと思い出しました。

…とここまで双子に関する考察をつらつらと述べてきましたが、今作は双子とある女性の物語のようでいて実はそうではない事にストーリーが進むに連れて気付かされました。現実と妄想の境目にいる曖昧模糊とした自分自身を再認識するお話…そんな風に感じた次第です。


追記:今作で物語のカギとなるある特殊な症例は我々日本人にとっては耳馴染みのあるものなのでは?それは誰もが知る巨匠漫画作家の有名作品内でエピソードとして語られているものだからです。