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ラッキーのwoosのレビュー・感想・評価

ラッキー(2017年製作の映画)
4.4
シネマカリテにて字幕版を鑑賞。
2018年新作劇場鑑賞28作目。
客席は満席。
テーマ「色即是空」

[全体として]
自分のような浅めの映画ファンは、この主人公を演じるハリー・ディーン・スタントンというじーさんを恥ずかしながらこの映画で初めて知ったのだが、wikiでチェックするとキャリアの前半は西部劇によく出ていたようだ。
なるほど、ジジイが毎夜行くバーでの諍いや、町を歩いているシーンに流れるハーモニカが中心のカントリーミュージックは、それらのオマージュなんだろうなぁ。
キャリアの後半に出ている映画は結構観たことあるものが多いが、全然覚えていない。。。
でも、それらを見直したくなるほどいい演技をしていたと思う。
で、本作なんだがあらすじは割愛するとして、めちゃくちゃ「仏教映画」なんじゃないかと思った。作り手がそれを意識していたのかは知らんけど。

[良かったところ]
凄く几帳面に生きていて、仏頂面で愛想は悪くない程度だが、それほど良いわけではない、が町の人々には比較的好かれてるらしい。これは多分ハリーじいさんのパーソナリティがそのまま現されてるんだろうなぁと知らなくても分かるように作られていると思った。
デビッド・リンチが同じような境遇で、一緒に暮らしていた亀に逃げられて嘆いているジジイの役だったが、味があって良かった。
映画全体に優しさが溢れていて、田舎だけどきっと幸せな町なんだろうなぁという雰囲気がよかった。あのジジイは実はもう死んでいて、天国でも地獄でもないあの世にいるんじゃないか?という見方もできそうだ。

[気になったところ]
自分の拙い英語ヒアリング能力でも分かるくらい、翻訳よりかなり汚い言葉を使っていたと思うのだが、その辺もっとリアルに訳しても良かったんじゃないだろうか?

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スゲー良かったです。
オススメです。
でも、孤独死は嫌だなぁ
あと、このジジイの出てる映画観てみよ。
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