もうね…なんと言ったら良いのかな…(T_T)
ハリーディーンスタントンの遺作。
2017年に91歳で亡くなったハリー。
この映画はハリーのドキュメントを観てるようです。
乾いた砂漠の町
行きつけのダイナー
行きつけの雑貨店
行きつけのバー。
ラッキーは歩いて、それぞれの店に通う。
ハーモニカだけのBGMが流れる。
ラッキーはミルクと砂糖多めのコーヒーをダイナーで飲み、クロスワードパズルをやっている。
行きつけの雑貨店で購入するのはオレンジ色のアメスピの煙草。
行きつけのバーでいつも飲んでいるセロリが刺さったトマトのお酒。
口が悪いおじいちゃん。
「やあ、ラッキー。今日は調子はどうだい?」
「Nothing!!(和訳: ろくでなし)」
幾度と無く出て来る
「Nothing」
バーの常連客
デヴィッドリンチ(監督)演じるハワード。
長年連れ添った陸ガメの"ルーズベルト大統領"が家から居なくなってしまい悲しんでいる。
年老いて、嫌でも"死が"迫って来る。
ラッキーは気付いてしまう…。
本当は"死"が怖いんだ…。
90歳まで生きれば充分かもしれないけれど
それでも怖いものは怖い。
私、こういう気持ち、凄く分かります(T_T)。
遺されるほうがツラいけれど、病気で余命宣告されない余命あと僅かしか無いのだな…という気持ち。
嫌でも時計の針は先に進む。
ラッキーの過去は余り語られて無くて
第二次世界大戦で従軍してたことぐらい。
結婚はしていない…
けれど、"今は"結婚をしていないのか、過去には結婚した事があったのか…。
生まれてからずっとこの地に住んでいたのか…ある歳にやって来て50年ほど経過したのか…
分からない。
とにかくラッキーは"ひとり"なの。
ラッキーは言う
「"孤独"と"ひとり(暮らし)は違う」
スペイン語を少々たしなみ、雑貨店のメキシコ人女性の息子の誕生日に呼ばれて、スペイン語の曲を披露する。
マリアッチがラッキーの歌声に合わせて楽器を奏でる…。
このシーンがとにかく好きです!!
ダイナーにやって来た、第二次世界大戦の時の海兵隊だった人の"沖縄での少女"の話に涙し…
サボテンの花が咲いているのを見つけ
ラッキーが笑顔を見せ
歩いているラッキーの後ろをゆっくりと横切る"ルーズベルト大統領"
エンドロールで流れる曲の歌詞がハリーディーンスタントンの人生だった…。
私の好きな映画不動の一位は
「パリテキサス」
次のセリフが何を言うか分かるほど繰り返し観た作品。
でも、もう何年も観ていなくて、
更にたくさんの映画を次から次へと脳に詰め込んでいるから記憶が薄れてゆく(T_T)。
ハリーディーンスタントンがスペイン語の歌声を披露したシーンは
何故かパリテキサスで、若い妻と幼い息子との幸せだった日々の8mmビデオを観ているトラヴィスと重なって…
https://youtu.be/CO7vTfkCbqo
Ry Cooder - Cancion Mixteca
100本以上の映画に出ていたという名バイプレイヤーのハリー。
でも、余り知らなかった。
訃報は知っていた…。
本当に本当にご冥福をお祈りします(T_T)。
最後にして、ハリー自身の心そのままのような映画に出てくれて…
ありがとうハリー(T_T)。
晩年の淀川長治さんがおっしゃっていた事。
「朝、目が覚めると、手足を動かしてみる…動いた。今日も私は生きているんだ」
と…
だんだんとそう思うようになるのかな…。
事故や事件、災害に巻き込まれないとして
病気にもならないとして…
そう考えると、私の人生は残り少ないと思うけれど…
でも、やはり、一日一日を大切に生きて無くて…生きれ無くて
ぼーっとボンヤリして
2019年も もう終わるのね…。