クルードス

女王陛下のお気に入りのクルードスのレビュー・感想・評価

女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)
3.8
侍女のアビゲイル(エマ・ストーン)と公爵夫人のサラ(レイチェル・ワイズ)による女王に取り入るための権力闘争の物語でもあり、アン女王(オリヴィア・コールマン)も含めた三者三様の女性の物語でもあった。

アン女王は子供のようにワガママで、自分では何も決められず、側近の言いなり。
しかし、17人も子供を失っている悲しみ、結局は誰からも愛されていないと感じている孤独感。
女王として見ると頼りなくてどうしようもない権力者に見えるが、個人として見るととても可哀想にも見える。
そして女王ではあるが、見た目から醸し出される匂ってきそうな下品な雰囲気。
しかし最後には凛とした姿もキッチリ魅せる。
そんな重層的な役を演じたオリヴィア・コールマンはアカデミー主演女優賞を獲得。

あとは侍女のアビゲイルを演じたエマ・ストーンが強烈だった!
自分さえ良ければいい、そのためには何でも利用するという役柄と見た目のシンクロ率がハンパなかった!
ファック連発、遠慮なく男をひっぱたく、初夜のそっけない対応。
ふと思ったが、M男だったらあれってむしろご褒美なのかな?(笑)

劇中、3人とも平等にゲロを吐くが、そこもキッチリ三者三様になっており印象的。

あとは、章の始めやエンドテロップで出てくる文字配列が独特で面白かったり、劇中のシンプルながら不安を煽るようなサントラはすごく好みだった。