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ナチュラルウーマンのharuのレビュー・感想・評価

ナチュラルウーマン(2017年製作の映画)
3.0
一人の女性がパートナーの死を乗り越えるまで。

最愛の人の死を静かに悲しみたくても、外野がうるさくてそれどころじゃない。だけどオルランドの家族がマリーナに怒りや憎しみをぶつけるのは、彼女がトランスジェンダーだからではなく、彼女が自分の夫(父)を奪ったから。マリーナがトランスジェンダーじゃなくても「葬式に来るな」とか「今すぐ出て行け」とか、家族は言ったに違いない。そういった意味で、これは「特別な話」ではない。大事なのは彼が残したロッカーの鍵であり、その中にあったもの。死は特別な瞬間ではなく、日常に突然現れ、あっけなく終わる。オルランドがいなくなっても、マリーナは生きていく。頭ではわかっていることが、ストンと落ちてきました。
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