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チャーリーズ・エンジェルのDickのネタバレレビュー・内容・結末

チャーリーズ・エンジェル(2019年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

1. 初版2020.04.16

❶相性:消化良好。

➋日本でもお馴染みだった、アメリカの人気TV映画シリーズ『チャーリーズ・エンジェル(1976-1981)』の3作目となる映画化。解説によると、リブートやリメイクの類いではなく、オリジナルのTVシリーズと、マックGが監督した下記①と②の出来事を踏まえた続編になっている。下記⓬のトリビアを参照。

①『チャーリーズ・エンジェル(2000米)Charlie's Angels』
②『チャーリーズ・エンジェル/フルスロットル(2003米)Charlie's Angels: Full Throttle』
③本作。

➌本作のあらすじ(公式サイト):論理的な矛盾はなく、一応納得出来る内容に仕上がっている。
「巨大テクノロジー企業に勤める天才プログラマーのエレーナ(ナオミ・スコット)は、自身が開発したプロダクト=新エネルギー源“カリスト“を会社が武器として軍事利用していることに気づき、エンジェルたちに調査を依頼。それがきっかけで、エレーナは命を狙われることに。“エンジェル“の司令塔ボスレーは、変装と潜入得意とするサビーナ(クリステン・スチュアート)、元MI6であらゆる武器を自在に操るジェーン(エラ・バリンスカ)と共に、エレーナを守りながら調査を開始。さらには彼女のハッキングスキルを高く評価し新たなエンジェルとしてスカウトする。新生チャーリーズ・エンジェルの誕生」。

❹3人のエンジェルを演じたクリステン・スチュワート、ナオミ・スコット、エラ・バリンスカは全員がシリーズ初登場であるが、時代が現代になっているので全く違和感はなく新鮮である。歴史的なつながりも矛盾なく処理されている。上手い脚本である。

❺本作も、3人の美女エンジェルの活躍が見どころになっているが、それ以上に活躍したのが、監督・脚本・共同製作・出演の4役をこなした44歳のエリザベス・バンクスおばさん(笑)。いやあ、楽しませて頂きました。
おまけに、これまで謎に包まれていた最高司令官チャーリーの正体を明かしてくれる(下記❿参照)大サービス付き。
ありがとさん、おばちゃん(笑)。

❻本作の舞台はリオデジャネイロを皮切りに、ハンブルク、ロンドン、ベルリン、イスタンブールと多岐に渡っっていて、「映画で巡る世界の名所」が味わえるのが嬉しい。

❼本作で一番ユニークだったのが「ボスレー」。
①従来、謎のチャーリーとのパイプ役で、エンジェルに直接指示を与えていた指揮官「ボスレー」は、名前ではなく組織内での階級で、一般企業では「マネジャー」とか「ディストリクト・マネジャー」と言われているものに相当するものだった。よって、「ボスレー」は一人でなく何人も存在する。このことが本作で初めて明らかにされた。
②これまでお馴染だったジョン・ボスレー(パトリック・スチュワート)は何人もの「ボスレー」を統括する、いわば「ジェネラル・マネジャー」だった。
③そのジョンが加齢により引退する。ジョンの引退記念では、現役のエンジェルたちに加えて、歴代のエンジェルたちの写真が写される。その中には、キャメロン・ディアス、ドリュー・バリモア、ルーシー・リューたちの顔も確認出来た。懐かしいね。

❽そして、本作で一番のサプライズは、引退したジョンがエンジェルの敵になったこと。
まあ、「昨日の味方が今日の敵」となる例は幾らでもあるので、そのこと自体は珍しくはないが(笑)。
①前作の『チャーリーズ・エンジェル/フルスロットル』では、優秀なエンジェルが引退後強力な敵となる例をデミ・ムーアが演じていた。
②トム・クルーズの当たり役となった『ミッション:インポッシブル(1996米)Mission:Impossible』では、信頼厚いリーダーのジム・フェルプスが裏切って敵になる例が描かれている。

❾次回作への布石:
①活躍を認められたエレーナは、エンジェルにスカウトされ、何人もの専門インストラクターから、他の候補生と共に厳しい訓練を受ける。
②それに合格したエレーナが、晴れてチャーリーズ・エンジェルの一員となったところで本作は終る。
③本作は、いわば、3作目の導入部であり、3人のエンジェルが揃って活躍するのは、次回以降となる。
④ちょうど時間となりました。後は次回のお楽しみ。乞うご期待!
⑤ちょっぴり心配なのは、本作の興行成績が芳しくないようで、次回作が作られるか否か、まだ分からないこと。

❿謎の最高司令官チャーリーの正体(重大なネタバレあり):
①エンドクレジットの最後で、最高司令官チャーリーの正体が明かされる。ボイスチェンジャーでチャーリー役を務めていたのは、女性だった。
②その女性とは? 
TVシリーズの初代エンジェルで、映画版第2作『チャーリーズ・エンジェル/フルスロットル』でも同じ役で登場していたケリー・ギャレット(ジャクリーン・スミス)だったのだ。(驚愕!)

★ざっと調べた範囲では、日本語のネタバレサイトで、このことに言及しているのは他にはない。見落としが無ければ、本稿が唯一である。

⓫まとめ:
①従来は、エンジェルたちは、男性の指示に従って動く立場だった。
②本作では、最高司令官も指揮官も女性であり、女性の立場から描かれている。フェミニストの小生には、好感が持てる。歓迎する。
③それは女性の監督・脚本であることが起因していると思われる。

⓬トリビア:『チャーリーズ・エンジェル』シリーズ

①TV
『チャーリーズ・エンジェル(Charlie's Angels)』は、1976年から1981年にかけてアメリカのABCネットワークで放映された1時間枠のテレビドラマ。日本語版は『地上最強の美女たち!チャーリーズ・エンジェル』で、日本で1977年から1982年にかけて、日本テレビ系列で放映された。スカパー!が開設された後には、AXNで度々全話放映されている(日本未放送の吹き替え無しも含む)。2013年10月5日よりDlifeでも放送された。2015年8月3日から2016年1月5日にかけてFOXクラシック 名作ドラマでも放送。
【内容】
チャーリーズ・エンジェルとは、チャーリー探偵事務所に所属する女性探偵のことである。時期によって顔ぶれは違うが、常勤しているのは3名に限られる。この探偵事務所には、他にはエンジェルたちをバックアップするジョン・ボスレーという中年男性しか出勤しない。所長のチャーリーは、エンジェルとは顔を合わせる事がなく、常に音声でしか指示や連絡を取らない。
【エンジェルの変遷・キャスト】
✹ケイト・ジャクソン(28歳)、✹ファラ・フォーセット・メジャーズ(29歳)、✹ジャクリーン・スミス(31歳)、✹シェリル・ラッド(26歳)、✹シェリー・ハック(33歳)、✹タニア・ロバーツ(26歳)。 【男性レギュラー(全シーズン)】
ジョン・ボスレー:デビッド・ドイル (声: 富田耕生)、チャーリー・タウンゼント(声):ジョン・フォーサイス (声: ✹中村正)、チャーリーはオープニング・ナレーションも兼任している。
★当シリーズは、「外国TV映画大全集1956-1980」(1980/10芳賀書店・シネアルバム79)の表紙になっている。この事実からも、当時の日本で如何に人気があったかが理解出来る。

②映画

ⓐ『チャーリーズ・エンジェル(2000米)Charlie's Angels』 日本公開:2000/11。
監督:✹マックG、共同製作:✹ドリュー・バリモア、出演:✹キャメロン・ディアス(27歳)、✹ドリュー・バリモア(24歳)、✹ルーシー・リュー(31歳)、✹ビル・マーレイ(ボスレー)
■美人探偵三人組が大活躍するポップなアクション。1976年にスタートした大人気テレビドラマの映画化。監督はこれがデビューとなるマックジー。武術指導は「マトリックス」のユエン・ウーピン。製作・出演は「25年目のキス」のドリュー・バリモア。共演に「マルコヴィッチの穴」のキャメロン・ディアス、「シャンハイ・ヌーン」のルーシー・リュー、「クレイドル・ウィル・ロック」のビル・マーレーほか。(KINENOTE)

ⓑ『チャーリーズ・エンジェル/フルスロットル(2003米)Charlie's Angels: Full Throttle』 日本公開:2003/06
監督:✹マックG、共同製作:✹ドリュー・バリモア、出演:✹キャメロン・ディアス(30歳)、✹ドリュー・バリモア(27歳)、✹ルーシー・リュー(34歳)、バーニー・マック(ジミー・ボスレー)、✹デミ・ムーア(40歳)(マディソン)(元エンジェル)、✹ジャクリン・スミス(57歳)(ケリー・ギャレット)(カメオ、TV版初代エンジェル)。
■テレビドラマ『地上最強の美女たち! チャーリーズ・エンジェル』の映画化作品第2弾。ジョン・ボスレー役のビル・マーレイが降板し、コメディアンのバーニー・マックがジョンの弟のジミー・ボスレー役に抜擢された他、敵役の元エンジェル、マディソン・リーをデミ・ムーアが演じ、存在感を見せた。また、TVシリーズのケリー・ギャレット役であるジャクリーン・スミスが同じ役柄で出演している。そのほか数多くの俳優や歌手がカメオ出演している。2019年公開の『 チャーリーズ・エンジェル』は本作の続編という位置付けになっており、ディラン役のドリュー・バリモアも引き続き製作に参加している。(Wikipedia)

2.追記2020.05.21

❶外部評価:
①Rotten Tomatoes:220件のレビューで、批評家支持率は51%、加重平均値は5.4/10。
②IMDb:40,758件のレビューで加重平均値は4.6/10。
③KINENOTE:72点/100点/212人
④Filmarks:3.8/5.0/9135人
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