女と男の観覧車のsoのレビュー・感想・評価

ジニーが公衆電話から電話をかけるときの無言の表情。
そしてその後、責め苦を負った彼女が堕ちていく狂気。
劇中でも会話に登場するチェーホフを彷彿とさせるような静かに悲劇へと向かっていく物語。

陽の光で変わっていく空間の色彩の変化は少々やりすぎで不自然に感じたけど、コニーアイランドという舞台といい、映画と火遊びしかないリッキー少年といい、きっとウディアレンにとっての故郷への郷愁みたいなものが詰め込まれた映画なのだろうなと思うと、この映画の全てが愛おしく映る。