茶一郎

我は神なりの茶一郎のレビュー・感想・評価

我は神なり(2013年製作の映画)
3.7
【短】信仰宗教、ダム開発により水の下に埋もれてしまう村、娘を愛せない父親。とにかく露悪的な物語で、登場人物は全員クズ、とてもあの大エンターティメント作『新感染』のヨン・サンホ監督作とは思えない、とても厭な映画でした。

 宗教人工が50%程と言われる韓国における「信仰」の問題と、宗教を超えた人と人との「信じる事」を痛烈に切り裂く一本。人物のカクカクな動きと、一辺倒で退屈な背景を超える鮮烈な物語が心に刻まれます。
 思えば最近の韓国映画の傑作『哭声』が宗教をベースとしら「信頼」についての物語だった事を思い出すと、経済発展していく韓国においてこの人と人との繋がりは語るべきな非常に重要なテーマなのかもしれません。

 『新感染』とは比較にならないほどにショッキングな映画ですが、やはりヨン・サンホ監督が『新感染』同様、娘(子供)を助ける事によって成長する父親を描いているのは印象に残ります。
 人が人であり、弱き者である内は、救いとしての信仰が残り続ける。とても鮮烈で心をズタズタにされるラストでした。
茶一郎

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