ゆき

ミスター・ノーバディのゆきのレビュー・感想・評価

ミスター・ノーバディ(2009年製作の映画)
4.6
頻繁に見る夢がある。

イギリスの断崖絶壁に建つ城。悲しく寂しい気持ちで荒れ狂う海を見下ろす。そこでのあたしはロン毛のおじさんだ。

たぶんまたイギリス。窓から靄っている海を眺めている。左手には、ぼんやりと灯台がみえる。
やはり寂しい。男性だ。

真っ白な未来の場所。形あるものは全てが流線形。真っ直ぐなものが無いので、角もない。水の世界でいつも気持ち良く泳ぐ。真っ裸で若い女性。

中国の工場。あたしは身体が不自由だ。皆があたしをいないかのように扱う。ヤサグレた諦めた気持ち。女性。

いつもの家、間取りまで書ける。
いつもの店、街、建物。

これらの夢をなぜ見るのか理由がわからない。意味がわからない。

で、考えた。
あたしは今ここでテレビを観ている。ゆきという名前で映画のレビューを書いている人の人生にチャンネルを合わせる。でも、ゆきが眠ったら今他の次元にいる別の人にチャンネルを合わせる。

そういうことではないのか?

それぞれのあたしの人生にいいも悪いもなく、産まれて死んでいく。
どう選択してもいい。どれを選ぼうと何かを経験しいろいろな感情を味わうことに変わりはない。

ニモは全部経験し、味わった。
そしてどの人生でもいいのだ。

新鮮なフルーツが、腐っていくシーンがある。
ピチピチからシワシワに。それが道理だ。

本作は音楽、映像とてもいい。軽くて綺麗。
目のアップが多いんだけど、若い役者さんの瞳の綺麗なこと。瞳の美しさで選んだんじゃないかと思ったくらい。

いろいろ考えさせられた、いい映画でした。