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ドクター・ドリトルのtorakoaのレビュー・感想・評価

ドクター・ドリトル(2020年製作の映画)
2.0
小学校の図書室で背表紙だけは日々目にしていた『ドリトル先生航海記』が動物と話せる医者の話だと二十歳頃に聞き、読んでおけば良かった(今更読んで楽しめる気がしない)と思い気になっていたので、事前情報一切なしに借りてみた。

ちょっとびっくりするほどの駄作だった。物凄く金かけた駄作。何でこの脚本でよしと思えたのか理解不能。
酷評と知った上で観ると、割と愉しめるんじゃないかなと思う。

以下ちょっとネタバレかも。



まずナレーションによる冒頭の説明が長くてかったるいとこに、
猟師の家で育ちながら動物好きな少年が誤ってリスを撃ち、胴体を撃たれ死にかけのリスを助けたいと願う少年は、妻を亡くして以来引きこもりのドクター・ドリトルのもとへいざなわれるってのが何だかなー。
そのリス絶対無理だろと思うのだが、そこから敷地内に入って邸内に入るまでに色々あって、邸内に入ってからもごたごたがあって手術ももたもたして、リス無事生還、って一桁年齢でも疑問に思う子はいるだろう。二桁になってればこれが通用する人は、ファンタジーだしね助かって良かったと優しく見てくれる人だけだろう。小学生が書いたみたいな脚本。

今月17日の日食までに幻の植物を手に入れないと女王は死に至るとかで、どこにあるかもわからないものを入手するため船旅に出る、ってのも無理筋に思う。家から絶対出ないマンになってて、居住してる楽園をかつて用意してくれた女王に恩を感じてもないぽかったところから、世界のどこにあるかもわからぬものを探す冒険にすんなり出発する。唐突に巻きが入った感。そこまでのもたもたは何だったの?手術成功したてのリスも同行するよ。ええー。

こういうのが引っかからなければ、更に、ベタだったりアナクロだったりする人物像(動物含め)やベタでアナクロでたまに妙な展開、しょうもないやり取りが愉しめれば、楽しく観れるのかもしれない。ってハードル高すぎやしないか?
コミカルな要素を盛り込もうとしてるんだろうけど、コメディセンスなくて無駄撃ちだらけ。滑りまくってる感じ。ぞわーっとした。冬に観るもんじゃなかった模様。
ロバート・ダウニーJrの演技も茶番じみてる。近年のものにしてはCGもイマイチ。

まあ駄目な脚本をどれだけ素晴らしい映像で飾り立てたところで、素晴らしい演技で盛りたてようとしたところで、焼け石に水というか、良作にはなり得なかったし別にどうでもいい気もしてきたが。
今世紀最大の駄作かも。と思ったらラジー賞ノミネートされまくってたのね。さもありなん。

エンディングの絵画は良かった。
序盤にちょこっと出てきた子ライオンかわいかった。
敵役の人は舞台演劇的に楽しそうに演じてらして良かった。マイケル・シーンさんφ(.. )
冒頭のアニメはロバート・ダウニーJrにちゃんと顔似てて、やるなあw と思った。
バグパイプは笑った。

ジム・ブロードベントさん、何で観た人だっけ?ともやもやしてたんだが、『ヴェロニカとの記憶』だった。あとブリジット・ジョーンズの父ちゃん。Filmarksはこういう時便利だなあ。

レンタルBDに特典映像ある。結構盛りだくさん。
ロバート・ダウニーJrは面白い人で冗談が多いとかで「さあ駄作を撮るぞ」とか言ってたと若者が話していて、その通りになりましたね、と思った。本望てことでいいのか。
吹替入り、英語字幕入り。映像特典にも英語字幕入ってた。素晴らしい。この仕様は流行ってほしい。
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