Oto

クワイエット・プレイスのOtoのレビュー・感想・評価

クワイエット・プレイス(2018年製作の映画)
3.6
(試写会)
怖い映画だと思っていたけど泣けた..。
ツッコミどころは多くて『Get out』的な脚本の巧さはあまりないかもだけど、『IT』的な人間ドラマはあるし緊張感もあるから『Jaws』を参考にしたのもわかる。

設定を思いついた時点で必然的に台詞はほとんどなくなるのでそれだけで画期的で面白いんだけど、静寂だからこそ聴覚デザインに意識が向いたからか、イヤホンとか聴診器のシーンは『Baby Driber』を連想させて面白かった。

お話自体はかなりベタだけど、監督・脚本・主演のジョン・クラシンスキーの家族愛("I Love You")はとにかくかっこいいし、本当に聾者だというミリセント・シモンズ演じる姉も、父との関係性においてもクリーチャーとの戦いにおいてもかなりキーパーソンで印象的。『ワンダー』に出ていた弟役ノア・ジュープも良かったし、エミリー・ブラントは本当に痛みが伝わってくるからさすがだな〜と感じた。二人は本当の夫婦なんだね〜夫も売れて良かったなあ。

手話だけじゃ伝わらないから仕方ないけど字幕はない方がサイレント映画を超える完成度になったのかなー。
設定面白いけど、音量の閾値がいまいち曖昧だし、家庭外の世界については全く触れてないし、予想を超えてくるのは人工内耳くらいだったから、あと15分長くして脚本凝らして欲しかった感。
唐突に始まるからこそ設定バラしの(1人目の死の)驚きが大きいんだろうし、90分という尺が絶妙なんだろうけど。
あと自分でも字幕つけられそうなレベルなのに公開遅すぎて謎。

人間がアホすぎるシーンも多くて『エイリアン』のようにイライラする。川辺に暮らせば良いじゃん、吸音室作れよ、地下で暮らせば侵入しないやん、釘くらい抜いておけよ、なんで子供作ったの?、父親叫ぶ必要ないでしょ、などなど。子供達の方がよほど賢いしよくこの家族は生き残ったな..と感じた。

明らかに続編がある(制作開始しているらしい)のでヒットした分、人間ドラマは大事にしつつもう少し長めで脚本を詰めてほしいかな。それにしてもホラーが売れる時代だな〜
Oto

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