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さようなら、コダクロームのSPNminacoのレビュー・感想・評価

さようなら、コダクローム(2017年製作の映画)
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大切な瞬間を永遠のものに。古いコダクローム・フィルムを現像するため、余命僅かの父と付き添い看護師と旅に出た息子。写真家の父は家族を捨てた人でなしで、カメラを通じてあらゆるものを見てきたのに、自分のことは見てくれなかったと息子は恨む。旅の間にありのまますべての姿を見せる父だが、息子への愛情だけはなかなか見せようとしない。父の撮ったそのフィルムには何が写っているのか…。って、それはもうわかりやすくニュー・シネマ・パラダイスなんだけど。昔気質の芸術家肌エド・ハリス、過去を引きずるジェイソン・サダイキス、貫禄のエリザベス・オルセンが渋い。若い頃聴いた音楽、もはや現像もままならないフィルム、屋根の壊れたオープンカー、ノスタルジックなアメリカ横断風景。いちばん胸熱なのは写真家同士のリスペクト・シーン、でも写真より劇中に音楽の話題が多かった。まあ、まるでコダック讃歌というか広告みたいな気もしたが、カンザスにあった最後のラボについて書かれた記事が元になってるらしい。勿論、この映画もコダックの35mmで撮られてるのだった。
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