幸村

さよならの朝に約束の花をかざろうの幸村のレビュー・感想・評価

4.3
好き。

岡田磨里と聞いてアニメファンの心に浮かぶ感情は様々で、まあ最近はマイナスのイメージが浮かぶ人の方が多いような気もする。そんな世間の評判につられて色眼鏡で見てしまった…わけでもないとは思うのだが、気になる部分も多い作品だった。
特に後半の展開は駆け足で、場面が切り替わるたびに「え、お前いつの間にそんなことに…」みたいな状況が見られがちだったし、特にレイリアは初め、自由というよりはエキセントリックの域に達してしまっているように見えてしまった(ただし、これに関してはよく考えると前後の流れから彼女なりの愛情だったのだろうということが分かるようになっているとは思う)。

そんな後半よりもさらに気になったのは終盤の展開、というよりは構成で、この映画は比喩とか誇張ではなく終盤に所謂クライマックスシーンが複数回連続するという欲しがりさん構成になっているため、見ている側としては感動するというよりかはむしろ困惑したし、感動シーンにも段々慣れてきてしまうので、せっかくの一番エモいラストシーンがぼやけてしまっていた気がした。

ただ、それらを全部差っ引いてもマキアとエリアルの間で少しずつ形を変えながらも確かに存在し続ける愛情の描写が素敵だったし、外の世界に出て出会い、愛し、そして別れを経験した末にマキアとレイリアが出した答えには胸が温かくなった。
そんな2人の姿をみてイオルフの長老も喜んでいるだろうが、クリム君はちゃんと現実を見て。
幸村

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