えびちゃん

ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリスのえびちゃんのレビュー・感想・評価

3.9
はぇーーーー情報量も凄まじいが次から次へと繋がれていく構成もすごいわ。圧倒の3時間半であった。解説どころかテロップのひとつもでないドキュメンタリー初めて観た。
図書館は単なる貸本屋じゃない知の宝庫だ。貸し出し、レファレンスサービスだけでなく、そこから飛び出て、読書会やポエトリーリーディング、シニア向けダンス講座、分館の子ども向け企画、障害者向けには点字指導や録音図書だけじゃなく住宅補助サービスの案内、ライブ(クラシックだけでなく、トークイベントとしてエルヴィス・コステロとパティ・スミスが出てた)、情報弱者向けポケットWiFiの貸し出し、一にも二にも市民への還元を目的としてあらゆるサービスを司書たちの叡智と対話によって発展続け根を張るNYPL。ローマは一日にして成らず、なんて言葉があるけど図書館もそう。目まぐるしく変化し氾濫する情報の中で知的財産を軽視せず、保管し提供することを信念にたゆまぬ努力で守り抜こうとする図書館は成長し続ける。図書館は人そのものだから。
選書に関する議論はとても興味深かった。限りある予算の中で来館者を増やすには推薦図書ではなくベストセラー本を増やせばいい。でも10年後、誰かがその推薦図書を必要とした時に図書館に置いてないなんてことがあってはならない。改めて図書館の原則に立ち戻って考えた。
こういう映画を観ることができるのはとても贅沢なことだな。
本当に面白かった〜、もう一回観たい!
えびちゃん

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