アカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞を受賞していなければ観なかったドキュメンタリー映画。
ドキュメンタリー映画は興行的に成功が難しいけれど、今は、劇場公開しなくてもNETFLIXのような配信という形で発表ができるようになったのですね。
不都合な真実、というドキュメンタリー映画もあったのだけれども、2時間ある内の前半1時間と後半1時間の状況の違いがあまりにもかけ離れていて純粋に驚いてしまう。
ドキュメンタリー映画の良さは、知らなかった事実を知る事ができるという「知る喜び」
ただ、この映画は、撮影や編集、アニメーションでの説明など非常にクリアでまるで、フィクション映画を観ているような、ドキュメンタリー映画ならではの粗雑さというものがないのです。
監督自身が自転車の選手で、ドーピングを自身がやってみる・・・という個人的な話かな、と思うとロシア政府ぐるみのドーピング疑惑、命を狙われるほどの国家機密問題に発展してしまうスリリングさ。
ロシアの研究所所長で監督のドーピング指示をしたグレゴリーが
「我々は一流の詐欺師だからね」
という。
クリーンであるはずだったスポーツ、オリンピックの世界。
しかし、国の威信をかけたメダル争いの場でもあります。
あまりメダル、メダルという事には疑問を持っていたのですが、メダルの数=国の威信という現代の風潮に波紋をなげかけた映画。
まぁ、この映画を観たら安直に「感動をありがとう」と言った言葉は出ないでしょう。