自らの身体を実験台にドーピングの非有効性を測ったロードレーサー、ブライアン・フォーゲル。そこから見えてきたのは、ロシアの国家ぐるみのドーピング隠蔽工作であった。監督は、フォーゲル本人が務めている。
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個人に視野を当てた序盤から急に事態の大きさが明るんでいく。もともとはドーピングが如何に役立たないかを実証する目的だったのに、その協力者が国家の陰謀に関わっていたという制作側も意図していなかった展開に目が離せなかった。
ドーピングのスペシャリスト、グレゴリー・ロドチェンコフは今作のキーパーソンであり、国に反旗を翻した彼を象徴したポスターのデザインは本当にイケてる。