鮮烈に美しい余韻を残してくれた「ムーンライト」のバリー・ジェンキンス監督の最新作。
今回も前作同様ストーリーはズッシリと重いが画面の色味、構図、切り取りはとにかく艶やかで美しくまどろむほど夢見心地に。
主人公達の身に起きた事件はおぞましく悲しいが、ジェンキンス監督はそこを殊更に強調しない。
悪意や憎悪ではなく、愛情をもって世界に希望を抱いているのが優しく伝わってくる。
いま世界でラブストーリーをここまで美しく撮れる監督は他にいないのでは?
家ではなく、なるべく劇場でどっぷり浸りながら嗜むたい芸術作。