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ワンダーウーマン 1984のTEPPEIのレビュー・感想・評価

ワンダーウーマン 1984(2020年製作の映画)
3.1
世界は素晴らしい。
世界には君が必要だ。
クリス・パインはウエストポーチが好きだ。

「ワンダーウーマン 1984」はコロナ禍で参ってしまう人々を元気づけてくれる。こんな時代に公開されたヒーロー映画はもはや伝説でしょう。ワンダーウーマンは確かに、ヒーローだった。スナイダーズ・カットこそ本物のDCEUと言われるほど「ジャスティス・リーグ」までの流れを一旦見直して、単体作品に力を入れてきたDC映画。

その成功例の第一号として「ワンダーウーマン」は胡散臭くないフェミニズム、アメコミとしての面白さを存分に発揮してくれた。その続編がついに公開。
舞台は1984年のアメリカ。ワンダーウーマンこと、ダイアナはスミソニアン博物館で働く考古学者。ひょんな事件から押収された秘密の力を持つ石。その石の力が、世界に大きな影響を及ぼす…というのが大体の流れ。

これは前作にも通じることだが、やはり上映時間が長く、特に本作は前半の丁寧な流れから、後半の駆け足具合のバランスに体力をごっそり持っていかれる。
あることが原因で1980年代のアメリカに復活する、前作でもダイアナと協力して敵を倒した凄腕パイロットのスティーブ。前作ではダイアナに人間世界を教える立場だったのが、今回は80年代のアメリカをダイアナに案内される構図はとにかく面白い。クリス・パインが楽しそうで、ダイアナとの掛け合いも抜群。
コメディさとシリアスさの具合は丁度良かった。
前作で全く未知の存在だったダイアナを、実は1番理解しているのはスティーブで、この2人のロマンスは涙誘われること間違いなし。切なく、熱い物語がしっかり描かれる。

アクションのスピード感や無双感、爽快感は共に前作を下回っている印象もあったが、第一次世界大戦が舞台の前作にはバトルフィールドの迫力度や緊迫感に軍配が上がるのは致し方なしか。
ただやっぱりこの2作目は、パティ・ジェンキンス監督のワンダーウーマンへの思いがとてもよく伝わる作品になっていて、きちんとヒーロー映画としての格好良さとか、大事なメッセージとかを表現してくれている。彼女の亡くなった父親もパイロットだったことを考えると、スティーブに凄く重要な役回りや台詞を与えているのも納得。むしろ主役がスティーブなんじゃないかと疑ってしまうほど。

しかしやっぱり観賞後には、ガル・ガドットのワンダーウーマンの素晴らしさに脱帽する。格好いい、強い、皆んなが憧れるヒーロー像、カリスマ性もあって、もうガル・ガドットのワンダーウーマン以外考えられないと思ってしまう。
今回ヴィランとして参戦するペドロ・パスカルとクリスティン・ウィグの大熱演にも注目。ちゃんと恐ろしいヴィランたちで、ステッペンウルフ先輩より風格があります。

クリストファー・リーヴの「スーパーマン」を彷彿とさせる、ワンダーウーマンの登場シーンやアクションは懐かしさもあり、アメコミ映画としての面白さはきちんと揃っていた。

総評として、ワンダーウーマンを不動のハマり役としたガル・ガドットと、スティーブを演じたクリス・パインの掛け合いだけでなく1980年代を舞台にした面白さをしっかり捻出した「ワンダーウーマン 1984」を明るく楽しいDC映画。パティ・ジェンキンスの「スター・ウォーズ」作品も非常に楽しみだ。ワンダーウーマン、素晴らしいヒーローだ。
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